2011年12月30日金曜日

町田を歩く

町田観光ガイドブック
http://www.vme.co.jp/vmenew/machidaguidebook.html

何冊か刊行されている町田市の観光ガイドブックのうち、スポットの紹介より散策コースの提案に特化した本書。町田駅前の書店で見かけて購入したが、よく見たらISBNが振られていない。いわゆる書籍としての流通に乗っておらず、発行元が個々の書店に直接出しているみたい。(通販はある)


提示されている16のコースから1つめのコースを選んで歩いてみた。小田急線玉川学園前駅からJR横浜線成瀬駅に至るコースだ。

玉川学園前駅。10年以上町田に住んでいるけど、ここで降りるのは初めて。


駅前の住宅地を抜けて、昭和薬科大学周辺の緑地へ。割と高低差が激しいので注意。


かしの木山自然公園。年末なせいか、さすがに水分が足りない風景。ただ危険動物の類もお休み中らしく自分にとっては都合が良かった。危険動物以外には野鳥とかがいるらしい。

公園の中央は聖域とされ、人間の立ち入りは禁忌である…ものと勝手に妄想して素通りした。次来たときは馬頭観音とトンボ池のコースを回りたい。


かしの木山自然公園の南口から鞍掛の松公園を目指して歩いたはずが、うっかり通り過ぎていた。

鞍掛の松公園(ほぼ全景。これで)。公道とも私道ともつかぬ細い道(というか、古道)を不安一杯で歩いたその途中にあった。碑に気づかなかった者にとっては単なる空き区画。


三ツ叉にあった謎の「たぬき山」。あとで調べたら子どもの遊び場とのこと。
http://www.tanuki-yama.com/index.html


その後、ポプラヶ丘近くの「独逸屋」で、ソーセージ購入。
http://vita.tc/shops/204


ここは地図上で「公園」とされている場所だが…。雨水を貯める池になっているもよう。同じような場所が他にも何カ所かあるみたい。


横浜市青葉区との境にあたる成瀬尾根。もはや人のものとも思えない細道。なお、道から外れた者は横浜市に落ちる。

風の広場。本当に風しかない。

人工物が恋しくなった頃に突如現れた電波塔。左はKDDI、右はdocomo。さぁ両手を大きく広げて全身に電波を浴びよう!(ただし私のケータイはSoftbank)


日本の歴史より、町田市制が古くからあったことを示す遺跡。だった場所。


東雲寺を抜けて、杉山神社。東雲寺の写真は撮り忘れた。


住宅街の中にあるパン屋、ラミ カリン。帰宅後腹減ったので、そのまま食べたけど、うまかった。
http://lamiecaline.web.fc2.com/index.html


恩田川(オンドゥル語の「オンダガー」が由来)。私が購入したある元宇宙飛行士の著書によれば、この恩田川沿いのどこかにタイムマシンが存在するはずだが…。

恩田川が属する鶴見川流域は、バクがそのシンボルとなっている。割とどうでもいい知識。水鳥が寒中水泳していた。


かつて成瀬城があった場所、城山公園。かつての井戸の跡が復元されているが、キャンプファイヤーの跡にしか見えない。


堂之坂公苑。かしの木山公園と同様、水分が不足している季節。

公苑の中にひっそりと水琴窟がある。我ながら良く見つけた。


ガイドブックの編集者の個人的な散策コースを元にしているのだろうか、住宅地を遠慮なく突っ切る行程が多かった。不審者を警戒している住民も多いので、不審な人はガイドブックのコース通りではなく、多少遠回りでも車通りのある広い通りを経由した方が良いかも。
私自身に関して言えば、職質に合わなかったのは、今日たまたま警官に会わなかったということに尽きると考えている。昨日観た映画の主人公のように、旅行の目的を「サイトシーイング」と間違えて「サイドビジネス」とか言ったら決定的だ。

また、お茶が飲める店、ソフトドリンクの自販機とかゴミ箱とかが少なめなので、それなりに準備をしていった方が良いかも。

2011年12月24日土曜日

時計

最近使っているiPhoneの時計アプリ。変わり種というか、ちょっとヒネりのある奴を試してる。



Concentrate!

時刻表示もあるけど、基本的にはタイマー。集中して作業する時間と休憩を交互に設定して、集中力を維持しながら働こう!という趣旨のもの。 シンプルで美しく、操作しやすいデザインがウリ。

ポモドーロ・テクニックを実践したい人を念頭に置いたものだと思う。漫然と仕事をしている毎日を変えたい人はぜひ試してほしい。定刻を待たずしてヘトヘトになっている自分に気づくはずだ。



DailyRoutine

このスクリーンショットが読めた人は偉い。日々のスケジュールが層状に重なっているのが見えるだろうか。家と会社を往復するだけの毎日をキッチリ守りたい人のための時計。

平日や休日など自分で登録したパターンをカレンダーから割り当てていくやりかたで日々のスケジュールを組んでいく。iOSのカレンダーに登録されている予定なども一緒に表示されるので、飲み会の予定を忘れてうっかり帰ってしまった…等のミスは起こらないはず。



Free-Time

あまりにも忙しすぎて「今後、俺のことは予約制にします」とか「残りの人生、俺の自由時間はあと何時間…」となっちゃってる人のためのアプリ。予定ではなくて、自由時間を中心にコントロールしていこうというもの。人から時間取ってと言われた時には、候補になる時間をいくつか選択して、shareボタンで相手にメール、なんてことができる。



時計でもPCでもなくて、スマホだからこその様々なアプローチ。よく考えるなぁと感心もしつつ。翻ってみれば、でもやっぱり、みんな困ってるんだなぁ、と。

2011年12月20日火曜日

アシモフ先生の次回作にご期待ください

ネタ元:Clear Aetherさん

人型ロボットが他の学生と同じように大学を受験し、合格することはできるのか――。答えはすでに出ている。「不可能」だ。なぜなら「試験会場では電子機器の電源を切らなければならない」(国立情報学研究所・新井紀子教授)からだ
「ロボットは東大に入れるか」-ニコニコニュース


「この部屋にはロボットどころか電子機器ひとつ持ち込めませんよ!」
「つまり密室だというわけか。…ロボット限定の。」

あらゆる電子機器を持ち込めないはずの試験会場。あり得ない場所で行われたロボット殺害事件にイライジャ・ベイリとR・ダニールが挑む!

2011年12月18日日曜日

ニコニコ動画のランキング[停止します]

ニコニコ動画のランキング・ページの仕様が変わったので使えなくなっちゃった。

新しい仕様に追随することはできるけど、過去のデータと整合させるの面倒。単にユーザーとして使うなら、もっと本格的にやっているところがあるからなぁ。


ここは引きどころだと思うので、サービス停止します。

ニコニコ動画ランキングデータ http://nicorank.bagend.info/


次は何をつくろうかなぁ。

2011年12月16日金曜日

Amazon2読書メーター

2017/01 改訂版出してます。

読みたい本の管理に読書メーターというサービスを利用させてもらっている。
だいたい「書籍のレビュー記事」→(アフィリエイト付きリンク)→「Amazonの書籍ページ」→(ISBNを見て検索)→「読書メーター」という経路で読みたい本を追加していく流れ。だけど、読書メーターのページを開いてから、Amazonのページで調べたISBN番号で検索するというのがだんだん面倒くさくなってきた。
もうちょっと楽をしたくなったので、「今開いているAmazonの書籍ページ」から「読書メーターの検索結果ページ」を開くための、ブックマークレットを作ってみた。

[Amazon2読書メーター]

このページから…
このページが開く。

開いているページによっては上手く動かないこともあるかも。

2011年12月9日金曜日

1個100円

「Androidのアプリ、100円で作ってよ」
「じゃぁ、開発用のAndroid機買ってくれよ。俺、iPhoneだし。」

「人月が悪か善か」というブログを見て思い出した、友人とのやりとり。結局、そんな金は出せないということで、この話は流れた。

自分的にはあり得ないほどオトクな条件だと思っていた。報酬はいらないって言ってるのだから。ちなみに、iPhoneアプリならMacが必要だし、ディベロッパ登録料が年間1万円弱かかる。


確かにAppleストアに並んでいるアプリは有料でも85円とか、そんな値段が多い。それが相場みたいだし、競合する多数のアプリの数を考えるとそんな感覚なんだろうなぁ、と思う。

しかし、その友人自身はパッケージのソフトを作っている会社に所属している(プログラマではないが)ので、プログラマの生活を知らないハズはない。正直、その時は面食らった。


日本と言わず、世界中で売り出して、10万人から85円ずつ集めたら850万。その代わり、売れなければ、その友人からの100円だけ。逆にもし100万人に売れたら…。(スマホアプリとして、ヒットと言えるのは何本から?)

その友人が100円とか言わず、「お前の今の年収分を前払いで出す。その代わり売上は全部俺がもらう」という話だったら、話は違ってたかもしれない。(しかし自分の所属する会社は副業禁止なので、人生の決断云々という、より大きな問題になっただろう)


確かに、純粋な開発会社が、会社の仕事としてスマホアプリ単体で稼ぐというのは無茶だとは思う。会社という規模でしか提供できないサービス、仕事を探すのが筋だろうと。今、そういうのってどこにあんのかなぁ。

2011年11月26日土曜日

ガンダム揚げ


AGEに期待していること

  • 『ガンダム00』はとても面白かった。しかし、そろそろ、 無印からの派生作品ではない『平成ガンダム』としてのスタンダード作品が見たい。
  • 今の子供が求める面白さを持った作品が欲しい。



実際の作品を見た印象

  • 強烈に印象が残る場面がまだない。「MSスゲェ」「ガンダムスゲェ」がない。敵(UE)も怖くない。
  • メカも社会にもスケール感がない。えっガンダムって人間より大きかったの?



想像していること

  • 長編を意識して、出し惜しみをしているように見える。
  • 旧『ガンダム』のお約束に乗っかっていて、作品世界をイチから作ることをやっていないように思える。



足りていないと思うこと

  • なぜ、ガンダムは人型で、この大きさなのか。作品世界の根本の検証と再構築。
    別に全長57m体重550tでも良いはず。敵であるUEに合わせる必要も無い。しかも、UE自体がコロニー国家戦争時代からのMSと同程度の大きさ…。
  • なぜ、ガンダムなのか。
    他の機体とスゴい違いがあるように見えない。AGEシステムが生成した武器は他のMSに使わせちゃいけないの?子供が乗ってるから操縦が大ざっぱだけど、チート機体だからOK的な描かれ方がない。
  • なぜ、主人公なのか。
    UEの恐怖が喉元過ぎてしまっているので、主人公と艦長が空回りしている。劇中の他人からそう見えるのは良いのだが、視聴者である私にもそう見える。「やがて大変なことになる」という未来が示されてないから、危機感を共有できないのだ。
  • ディティールが適当。
    「UEの名前」が重要機密との前置きで明かされる。誰が何の意図で秘密にしてるの?(人類側が適当につけたあだ名のはず)



こういうことをやってほしかった

  • 2代目、3代目からストーリーを始めるか、あるいは語り手に据える。
    全体を俯瞰する視点があることを早めに打ち出す。
  • AGEならではのMS戦を見せる。
    今まで反則だったことを、これからの常識にする。突進して衝角とか。燃やすとか。踏みつぶすとか。
  • 序盤でもっと思い切ったことをやってほしかった。
    既にUEに占領された状態から始まるとか。いっそのこと地球が無くなってるとか。
  • MSの巨大さとディティールを丁寧に描く。
    「巨大なメカがデフォルメされてこのプラモ」じゃないと。今はビッグライトで巨大化されたプラモが戦ってるみたい。



重力に魂をひかれた古い地球人など切り捨てりゃいいのにな~。

2011年11月19日土曜日

コミックダッシュ 新刊カレンダー

ひっそりとスタート。元サイトに迷惑がかかるようなら停止。(その前にAppEngineの無料枠を使い切っちゃうと思うけど)

コミックダッシュの各ユーザーの新刊カレンダーをiCalendar型式に変換します。

Googleカレンダーから外部カレンダーとして利用できます。

使い方

以下のURLをGoogleカレンダーに追加します。

カレンダー設定の「おすすめカレンダー検索」に外部カレンダーをURL指定で追加する機能があるので、それを使います。

http://comdashcal.appspot.com/ical?user=morinatsu

userパラメータ(morinatsuとなっているところ)にはコミックダッシュのユーザー名を入れます。(必須)

うまくいかない時

このURLを直接ブラウザから開くと、下記のような表示がされるはずです。

SUMMARYにコミックのタイトル、DTSTARTDTENDに発売日を設定するので、そのようになっていることを確認してください。

> BEGIN:VCALENDAR
> PRODID:DashCal
> X-WR-CALNAME:ComicDashCalender
> VERSION:2.0
> BEGIN:VEVENT
> DTSTART;VALUE=DATE:20111226
> DTEND;VALUE=DATE:20111226
> SUMMARY:風光る 31 (フラワーコミックス)
> DESCRIPTION;ENCODING=QUOTED-PRINTABLE:No description
> END:VEVENT
> (以下略)
  • コミック情報が無く、VERSIONの行の後、そのままEND:VCALENDARとなっている場合はユーザー名が間違っています。
  • 中身が全く表示されない場合は、ユーザー名に記号等が混入しているかもしれません。(アルファベットと数字だけ受け付けます)

2011年11月4日金曜日

マクドナルドにて


もう相当前のことになる。

マクドナルドで朝食を取った。
ハッシュドポテトが揚がってなかったので、後から届けてもらうということになり、マフィンとアイスコーヒーだけ受け取った。
手頃な席に座って、マフィンをもしゃもしゃやっているうちに、店員がハッシュドポテトを持ってきた。平素の自分の感覚だと、ここは「ハッシュドポテトが店員に伴われてやってきた」なのだが、下記に述べる理由で、店員に注目せざるを得なくなった。

「ハッシュドポテト、お待たせいたしました。揚げたてで大変お熱くなっているので、気をつけてお召し上がりください」

店員が正確にこの通り述べたかどうかはあまり自信がない。注文したハッシュドポテトがそこにある。その事実で私には十分だった。
ここで、その店員が、むしろ長めにすら思える上記の文言を、上半身は私に向けて、下半身はカウンターの方向に向けてという半ひねりのオモシロ姿勢で述べたのでなければ。

急いでいたのであろう。心はもう次の仕事に向かっていたのだろう。
一般的には「失礼」とみなされるであろう、その仕草を私は無礼とは考えなかった。たぶん、その店員もそう考えていなかった。それどころではなかっただろう。
むしろ気になったのは、それほど急いでいたにもかかわらず、おそらくマニュアル通りなのであろう上記の文言をまったく省略しなかったことであった。
早く持ち場に戻りたい「私」と、マニュアル通りに接客しなければならない「私」との葛藤が端からも感じられて面白かった。本人は意識してなかったかも知れないけど。

だからどうだという考えもないので、この話はここで終わり。

2011年11月1日火曜日

理研・一般公開2011(5)

ちょっと科学から離れたところをピックアップ。これでネタは出し切り。

化石?いや、美術作品。館内にはいくつか、こういう生物学っぽいモチーフの美術作品、写真が飾られている。催し物に夢中な客には素通りされるが…。


労組の壁新聞。研究費、セクハラ、そして原子力がホットな話題っぽい。ただし組織率はわからないので、職員一般とのズレがどのくらいあるかはわからない。


食堂にあった被災地支援コーナー。ベルマーク収集等以外に地道。


喫茶店の片隅にあった書籍は職員からの寄贈本だろうか。


横浜市大の名物、-196℃マシュマロ。かき氷ともアイスクリームとも異なる独特の食感。これを食わずには帰れない。

2011年10月28日金曜日

理研・一般公開2011(その4)

事業仕分けの荒波を越えて、ついに世界一になったスパコン「京」。

京自体は兵庫県に設置されているので、横浜研究所の一般公開では実物を見ることはかなわない。しかし、兵庫のスタッフらしき人が小さな展示コーナーを設けて立ち寄った客の質問に答えていた。

配布されていたパンフやらグッズやらをもらって満足、とするのはまだ早い。隣接する横浜市大ではスパコンの実物が展示されていた。

日本製ではなく、スパコンの老舗クレイ社製。36.2TFLOPSということは京の1/280くらい?


背面ではケーブルが蛇のように絡み合っている。3Dトーラス構造とある。京では確か6次元と言ってたはず。ラヴクラフトの小説に出て来そうな超タコ足配線が想像される。

写真を撮るのは忘れてしまったが、メモリは(少なくとも見た目は)一般に普及しているものと変わらないっぽい。CPUも高級品ではあるが購入可能な品。むしろキモになっているのは上の写真のケーブルに繋がるネットワーク・モジュールとのことで、それはクレイ社謹製だった。



一般公開であちこち歩き回っては研究者の中の人から、携わっている仕事の話やら、研究所の「中」での生活に近いところとか、ちょっとずつ話を聞いてくることができた。その上での感想。


研究者はアスリートに似ているかもしれない。特定の競技に特化するように自分を鍛えていくのだ。

京が世界一をとった時の記者会見で、テレビに映った研究者(偉い人)の笑顔に私が抱いた印象は無邪気さだった。

自分たちは不当な評価を受けたが、こうして結果を出すことができた。見返してやった、と。

実際には(当時の議事録を読んだ時の記憶によれば)、仕分け人は世界一を取ること自体は織り込んでいて、「で、それで?」「でもお高いんでしょう?」と聞いていたのだが、それに対する答えは(少なくとも私が見たニュース映像には)ないままだった。

彼らは、結局、仕分け人なり、彼らによって代表される素人から、自分達がどう見えているかということを問うことをしたのだろうか。


単に世界一を取らせたいだけなら、スポーツ選手に金を出した方がたぶん安上がりだろう。実際、世界一を取ったスポーツ選手が今まで持ち出しでスポーツを続けてきていた、その例を私は最近知った。

開発している現場の人はまさに選手なのだから世界一を目指していい。そうすべきだ。でも、彼らをマネージメントする層と文科省が同じ気持ちで予算請求の場に出て来てはダメだ。彼らの立場なら、選手に世界一を取らせるのはスポーツ振興の手段ないし通過点であって、目的ではないはずだ。


世界一の研究をするには世界一のスパコンがっていうのが無茶、雑な理屈だ。

ある研究を行うのに必要なパワーが膨大になるというのはある。しかし、それはその研究に大変なパワーがいるというだけで、その研究が世界一の研究かどうかとは関係ない。

そもそも何をもって世界一の研究というのか、計算量でそれが測れると主張するつもりだったのか。

(あの場に出て来た人は、ジャンケンで負けたとかの理由で選ばれたのではないかと、当時は本気で疑っていた)

相手が素人であると舐め切っていたのか。見学時の感触が良かったので実質OKと思っていたのか。それとも「世界一」という言葉で相手が恐れいると思っていたのか。

これまでスパコンがどのように研究に役立ってきたのであるとか。スパコンの能力の不足が研究の進捗上でボトルネックになっているのであるとか。研究者の活動を支援していく上で、彼らにどのようにスパコンを使わせようと考えているのであるとか。

小さいスパコンたくさんじゃイヤ、大きなスパコンが欲しいというのであれば、せめて、利用者側への希望調査くらいのことはして欲しかった。

スパコン自体の技術開発が目的なら、開発している技術がこれからどういうブレークスルーをもたらすのか語るべきだった。「今、世界一になる」じゃなくて。(この辺の話はむしろ世界一を取ってから、ちょくちょく出て来た)


あのスパコンの開発費で一体何人の研究者が食っていけるだろう。とある独立行政法人の文系学部の研究者たちが金がなくてロクに本も買えないと嘆いているのを聞いてきた身としては、そういうことも考えてしまう。

それを科学立国なのだから黙って金を出せというのでは、命が大事だから放射能0でなきゃ食べ物と認められないという議論とたいして変わらない。ギークvsスーツ的な対立構図から、私はそろそろ卒業したい。

2011年10月17日月曜日

理研・一般公開2011(その3)

組織上は生物学なんだけど、コンピュータ絡みの仕事をしているスタッフもいて、それに即した展示内容もある。商売柄ここの活動は気になる。今年のテーマはソーシャルとゲーミフィケーション(ゲーム化)だった。


研究者が交流というか、研究のための情報交換のためにSNSを使うことが一般的になっているという話。Facebookがやはり人気なんだけど、専用というか独自のSNS(理研サイネス)を構築したりもしてるよ~。という話を聞いてきた。

人間向けのSNSだけでなく、研究データそのものを国際的にやりとりするためのオープンなデータベース、BioLOD(Facebookページ)もあって、研究者(夏休み中の小学生も含む)が、公開されているデータ(クリエイティブ・コモンズorパブリックドメイン)と、手持ちのデータとを自由に組み合わせて分析することもできるようにしているとのこと。


以前に公開を見学した時は、セマンティックWebの展示が中心だった。その後の話を、あまりニュースで聞かないな、どうなったんだろうなと思っていた。

あくまで「示されている場所」に飛ぶだけの現在のハイパーリンクを越えて、「このページに対して、飛び先のページは何にあたるのか」という情報を重視するセマンティックWeb。例えばテレビ番組の情報なら、その出演者である、放送局である、ファンの私設サイトである、といったように文書の内容に即してリンクしていく。(他方、HTML5のrel属性は、目次である、本文の一番最初のページである、といったように文書の構成に沿っている。)

アニメ・特撮ファンがwikipediaでやってるみたいに、趣味のデータベース作る人が重宝するかも…と思ったけど、意味づけの作業は人間がやらなければならないので誤りも入りやすいだろうし、RDFやXMLって結構大変だよね。

…ということは皆思っていたようで、より軽量なフォーマットが開発されているという話を聞いた。後で調べたところ、こういうものが見つかった。また、人間にとってなじみのある表形式(Excelとか)と、より情報の実際の構造に即していて、コンピュータ処理にも向いた形式との相互変換を仲立ちをするセマンティック・テーブルなんてものもあった。


「整理するな、検索させよ」という言葉の通り、一般の人が適当に思いついた言葉で検索するならGoogle民主主義とマシンパワーでごり押しするのがいいんだろう。もっとキッチリと、例えば関係のない情報をきちんと除外するようなことも望まれるなら、書き散らかされず、より自動的に情報が整理されていくような仕掛けを指向して発展していくんだろうね。


ゲーミフィケーションの例として挙げられていたのは、タンパク質折りたたみゲーム「Foldit」。最近、その成果が発表されて、ニュースになったものだ。実際に遊べるよう、ゲームがインストールされたPCも用意されていて、外国人のグループや小学生が熱心に取り組んでいた。

クラウドソーシング(「お前ら、俺の代わりにこの問題解いてくれよ」方式)は、当事者が気づきにくいヒントを得るための手段として、一般的にではないにせよ、使われ続けていくだろう。実際、Folditの攻略ページには一般プレイヤーが書いたと思われる攻略記事やゲームを解く過程を自動化したスクリプト等が投稿されていた。これらの記事やアルゴリズムの一般化と検証から、今まで「コンピュータには解かせにくい」と思われてきた問題を解かせることができるようになったら面白いと思うし、それがゲーム作成者の目的であるとゲームの公式サイトには書かれていた。