2016年5月31日火曜日

Black Stories

他の割と大きめなボードゲームの合間に、息抜きがわりにプレイしたカードゲーム。

カードゲームとは言いつつ、1回のプレイで使うのはカード1枚だけ。
複数人でプレイするのだが、勝ち負けがあるわけでもない。

Black Storiesの名の印象通り、「死んだ」とか「殺された」とか、あまりイメージのよろしくないシチュエーションがカードの表面に書かれていて、そのカードを選んだプレイヤー以外の全員で、その死因なり犯人の動機なりを推理していくのである。
カードを選んだプレイヤーは、いわば審判役として、他のプレイヤーの質問に答えたり、ヒントを出したりする。

面白いのは、提示されている情報が少ないので、与えられた情報からは理詰めで正解を導き出すことが不可能な点。自ら進んで審判役のプレイヤーに質問して情報を集めていかなくてはならない。しかも、審判役はyes/noで答えられる程度の質問にしか回答できないルール。しかも、多くの問題は「これ、普通は思いつかない」と思えるほど突飛だ。

地頭の良さ、という表現では大ざっぱに過ぎるだろう。第一印象に引きずられない想像の枠の広さや、問題を切り分けたり、逆に切り広げたりする質問を生み出す着眼点。説明されていることから、説明されていないことを見つけ出す疑り脳。色々な能力が必要だ。
色々な能力が必要なのだが、ポイントになるのはこのゲームが多人数プレイ用であるところ。何も全てを自分一人で解き明かす必要はないのだ。

何度かプレイしていくうちに、良く見知っていたはずの友人の意外な面が見えてきたり、秘かに思っていたことが腑に落ちたりするだろう。
三人寄れば文殊の知恵。Black Storiesはチームワークのゲームである。

惜しいのは、カード(=問題)の数が有限であること。既に正解を知っているプレイヤーがいるカードは使うことができない。ま、しょうがないことだけどね。


2016年5月29日日曜日

フンタ(JUNTA)

SF研の後輩に誘ってもらって、学生時代にすらほとんど経験してないボードゲームを秋葉原で。

フンタ日本語版
https://hobbyjapan.co.jp/junta/


 

南米の某国で、権力者達が国連からの援助金を巡って、暗殺やクーデターを繰り返しながら蓄財に励んでいく……という、身も蓋もない設定のゲーム。
私自身はもちろん、他にも初プレイのメンバーがいたので、ルールを教えてもらいながらのプレイとなった。
その顛末は。

私はクーデター時の戦闘指揮で名を挙げた後、大統領に就任。
その後、形の上では部下であるライバル達に地位と資金を分配してパワーバランスと不平不満のバランスを調節しつつ、彼らのクーデターや暗殺に怯えながら、居場所を転々とするというチキンプレイ。
反対者なしという消極的な理由で再選を続けて、前代未聞の長期政権となったところで、クーデター発生。
みるみるうちに追い詰められ、政権を追われるかと思いきや、クーデターの首謀者達からまさかの再指名。その後も(心情的には)他のプレイヤーの傀儡みたいな形で大統領を続けた。
(大統領以上に悪評を被っていた、内務長官が代わりに処刑された)

プレッシャーと恐怖から(プレイヤーである私自身が)逃避しようと訪れた、
愛人宅でまさかのスキャンダル発覚、政治家生命と全財産を失った。
(他のプレイヤーからは、強固な支持基盤と清貧な暮らしぶり、公平さを賞賛されていたので、酷く驚かれ……その後大いに笑われた)

ボードゲーム、面白そうとは思ってたのだけど、一人では遊べないし、単価も(ユーザーが少ないので)割と高め。
もうちょっと気軽に遊べる環境があればなぁ。

2016年5月22日日曜日

アン死亡(Ansible)は二度死ぬ

家庭内LANで稼働していたRaspberryPiサーバが音信不通になった。
別に盗まれたわけでもなく、電源が消えたわけでもない。日に一度送って寄こす稼働報告メールがある日から届かなくなったのだ。
調べてみると、他の機器からのネット接続は受け付けられず、直接ディスプレイとキーボードを繋いでも無反応だ。

電源抜いて起動しなおしても……というか起動しなくなった。
リカバリ機能自体は生きていて、さあリカバリするディスクを選んでくださいとなるのだが、ディスクの候補が出てこない。
何が起こったか分かった。ディスク代わりに使っているSDカードの障害だ。おそらく寿命(書込可能回数)を使いきってしまったのだろう。

このサーバの役割は赤外線リモコン機器の制御と、外で借りているVPS(仮想サーバ)の稼働監視。そして我が家の室温や湿度といった情報の記録だ。年間365日24時間データを書き続ける仕事をさせていたのだから、当然の結果と言える。

復旧に必要な作業は…


  1. 代わりのSDカードを入手する。ともかく、これがないとRaspberryPiは起動しない。
  2. メインで使うHDDを用意する。SDカードだけでは同じ問題が再発するから。
  3. 一旦、SDカードに専用OS(Raspbian)をインストールして、起動確認。
  4. インストールしたOSをHDDにコピーする。
  5. SDカードでの起動後に、その後をHDDにスイッチするように、SDカードの情報を書き換える。
  6. OS以外のソフトウェア、各種設定を元のとおりに再現する。


一番面倒な作業は6だ。そもそも元のRaspberryPiに何を入れていたか思い出さなければならない。1〜5は割と皆が同じようにやる作業なので参考になる情報があるが、6は過去の自分がやったことなので、記録がないと始まらない。半年前の自分は他人というヤツ。

実のところ記録はあった。しかも、それ自体が自動実行可能な記録だ。
Ansibleのplaylistの形で構築作業の記録をしていたのである。

Ansibleスゴい。自分じゃすっかり忘れてた細かい作業まで、ロボットのように進めてくれる。
自分はといえば、そのロボットが作業しているところを横目で見ることもなく、録画したアニメの視聴に没頭していた。
この記事ではAnsibleの働きぶりを書くつもりでいたのだけど、むしろスムーズすぎて書くことがなかった。

実を言えば、コマンド一つでまったく手を出さずに済んだわけではなかった。Ansible自体のバージョンアップに追随するための書き換えとか。
ただ、今やるべきこと、過去やったことはすでにそこ書いてある。あるべき手順をイチからひねり出すことなく、古い記述を書き換え、空欄を埋めるだけの比較的頭を使わない作業だけで、進められるというのは脳にかかる負担が段違いだ。

一番面倒なはずの作業6があっさり終わった。

欲が出て、今はVPSの構築のほうの自動化に取り組んでいるのだけれど、これはまた別の話。



Ansibleを覚え始めのころ参考にしていた本。
紹介され始めた時期、ネットの情報は(当たり前だけど)「やってみた」程度のあっさりしていたものばかりだったので、包括的な知識を欲していた身にはありがたい存在だった。
今ではAnsibleのバージョンが上がっているので、そのまま使うというわけにはいかないかもしれない。根っこの部分が分かれば、あとはなんとでも……という人には有用。