2023年11月19日日曜日

はかりごと

『薬屋のひとりごと』。宮廷内の陰謀話多くて、「ひとりごと」より「謀(はかりごと)」になってるな。




Twitter(X)で見つけた、計量に関する企画展のお知らせ。開催しているのは前に訪れた千葉県立現代産業科学館だった。
関宿にも行きたいし、どっちを先にしようかなと迷いつつ、「まぁ、まだ行ったことのない方を優先で」と関宿城博物館に行ってみたら、「コラボ企画してるから両方行け。チーバくんグッズやるよ」ということだった。もともと両方行くつもりではあったが、開催期間中に他の用事を差し込まれる可能性がないでもないので、速やかに実行する。


千葉県立中央博物館、それにこれら2館。それぞれ面白いんだけど、うっかり統合されちゃうと(特に常設展示が)ボンヤリしたものになりかねないので、頑張って3館それぞれの特色と存在感を維持してほしいもの。

さて、企画展「はかる」。


最初に視界を埋めてくるこの大きなパネルは、意外にも生き物のサイズ。確かに、水族館や動物園のYoutubeでも、生体の健診や体重測定は定番の1つになっていて、各館独自の工夫がみどころになっている。

重りを組み合わせて、ピッタリ150mgに合わせるミニゲーム。たぶん他の組み合わせでもいけるようになっていると思う。

豚の体重を測るための専用の装置「デジトンスケール DGM」。純粋に「正しく測る」だけでなく、豚の動線や、取り回す人間の都合まで考えられたものだ。こういうのがいい。

セイコーの時計とストップウォッチ。ストップウォッチには「スタート位置をぴったりゼロに合わせる」「針を目盛りの位置で止める」ことを実現するための「ハートカム機構」が組み込まれている。「たぶん何秒」みたいな曖昧さを嫌う、競技の現場の要求に即したものだ。
文系なので、科学館という場所にあっても、ついつい「作者の気持ち」とか「法制度上の建て付け」に気が向きがち。

タニタ、あのタニタのヘルスメーターの初号機。
「昭和20年代の日本では『体重は銭湯ではかる』という考えが一般的でした」のくだり。「なんで銭湯に体重計があるんだろう」と疑問に思ってたが、むしろ銭湯にあったものがご家庭に持ち込まれていたのね。
併せて展示されていた最新の体組成計では、部位別に体組成を計測できるそうで、一体どんな人がそんな気持ちになるんだろう。(なかやまきんに君を脳裏に浮かべながら)

JAMSTEC謹製、熱水噴出口ジオラマ。…のオマケに見えかねない、左の画像が実際の展示物。深海潜水艇のカメラで捉えた画像から、AIで生き物の数を種類別に数えようというものだ。展示ではエビとカニの識別くらいだったが、実際のところどのくらいいければ実用になるのだろう。

ドール社の始めた、バナナの計り売り用の計量機。
こういう取引に使う計量機は出荷前に受ける検定だけでなく、各県の計量検定所による定期的な(立ち入り)点検を受けることが必要…的なパネルが別の場所にあった。こういうの、自分で商売している人には常識なんだろうけど、会社勤めでそういう部署でもないとなかなか知る機会がない。

日本大学の研究室に作ってもらった「歪み」の計測実験用の装置。光源と偏光フィルムとの間に透明な試料(ガチャのケースとか、ヨーグルト用のプラスプーンとか)を突っ込むと、その歪みが虹色の縞になって見えるというもの。

あちこちから、いろいろなものを借りて開催される企画展。
館内の他の場所に臨時の展示場所みたいなものができていた。(もしかして毎回こうなのか…)
この現代産業科学館の企画展、やりたいことが企画展示室からあふれ出してくる感じでとても楽しい。

企画展示室を出て、常設展示を回ったら、定例の科学実験イベントが始まる時間だった。スタッフが数取り器で参加者の数を数えていた。皆が、色々な動機から色々なものを測っている。



オマケ

常設展示にある、鋼鉄のバラ。着色していないのに、酸化膜の厚みの違いで、カラフルに見えるというもの。

ワークショップのコーナーには企画展「ネジるツナガる」の名残り。

そして館外。ショッピングモール「ニッケコルトンプラザ」の一角にある「おりひめ神社」。その敷地が日本毛織(ニッケ)…と合併した共立モスリン…の工場だった昔から引き継いだものだとか。

2023年11月12日日曜日

江戸川(おまけ)

江戸川も河口までたどり着いて、一段落。現在は他の川を歩き始めている。
…のだけど、ちょっと気になる場所があったので行ってみた。


東武動物公園駅。この駅で降りておきながら動物園に行かない。「次行く時は、動物園のこのエリア回ろう」までイメージ固めている園なのに。若干、自身の正気を疑う。しかし、ここからが長い。

バスと徒歩で数十分。城が見えてきた。

関宿城博物館。関宿は利根川から江戸川が分岐する場所だ。河口まで行った江戸川の最上流に来てみた、というわけだ。

川の分岐点を目指して、周辺を歩く。


川の水深を確保し、流量を維持するため、川底の泥をさらう浚渫機。

…の傍らで毛繕いをしている猫。クリップ式のスマホレンズ8倍望遠。まだ撮影のコツをつかめていないのと、自分の裸眼の性能が弱々なので、ボンヤリしている。

江戸川にかかる、関宿水閘門。下流で見た江戸川水閘門よりゲートが小さいが、流れが速いので、別の意味で見応えがある。こちらにも閘門があるが、もう使われてないらしい。

分岐がハッキリ見える場所まで行きたかったが、通行止めが多いのと、経路が複雑だったのと、スズメバチ、マムシについての注意書きが散見されるのと、いろいろあって断念。
博物館の方に聞いてみたら、道路が整備されておらず、あまりオススメではないらしい。また、この周辺、サルも出没するようだ。

博物館の天守閣(?)4Fが展望台になっているので、そこから前述のスマホ望遠レンズで撮ってみた。手前の草木で隠れてしまっている、とても細く見える流れが江戸川だ。
展望台には備え付けの望遠鏡(有料・電子マネー対応)があったが、そちらのほうがより大きく、鮮明に見えた。…というか、見やすい液晶パネル式だったので、むしろその画面を撮影すれば良かった。

利根川水運の主役、高瀬船。縮尺1/8(だったかな)の模型で、この大きさ。中の人の目線くらいから見上げたアングルで1枚撮ってみた。
造船の相場観が無いので、この喫水とマストで、よくひっくり返らないものだと思う。

現在の日本通運にあたる会社が利根川・江戸川を周回させていた「通運丸」。
千葉の銚子から江戸までの水運は、江戸時代初期に4日。明治時代にショートカット用の運河が掘られて1日。人力から、この蒸気船に乗り換えて、約18時間まで短縮したらしい。

館内は(館外も)、江戸時代の治水事業を伝える展示物・模型でいっぱい。

メインの展示は、利根川の東遷や河川改修らしいのだが、大事業過ぎてなかなかイメージがつかみにくい。展示物や解説パネルはたくさんあるけど。
館内では、学芸員さん?ボランティアさん?による、ガイドが行われているので、その説明を聞くのがオススメ。


売店は館外の休憩所に。飲食は、館内では自販機くらいだが、至近に食堂がある。


江戸時代の治水・利水技術は面白いと思うのだけど、博物館でも割と「導入編」みたいなところが多い。または「人力なので大変だった」みたいな取り上げ方のところばかり見ているので、そろそろエンジニア目線の、網羅的な情報源が欲しいなぁ。