2012年12月16日日曜日

衆院選を振り返って

…という題名の記事を先週中から書き始めていた。衆院選にあたって、どんな基準で投票行動したかの振り返り。働くことに対する自分の考え方が変わってきていて、それが割と出てきていると思う。


■候補者について

大分昔からの話ではあるが、候補者みんな大言壮語が過ぎると思う。党議拘束に従って1票入れる以上の何が出来るというのか。1議員の立場で4年間で実際にできることの見積もりができているか。


■自分の投票行動の傾向

投票する人と投票する党の他に、個人献金する人がいて、それぞれ全然別でも平気だったりする。主役になってほしい人。敵役になってほしい人。語り手になってほしい人。期待している役回りも一様でない。

消去法で「○○だからこの候補はダメ」ってやってしまうと、投票可能な候補者がいなくなってしまうので、この方法は採らないことにしている。「お前達には任せておけん。私自らが出る!」って心境まで至れば別だけど。

誰の言葉かは覚えていないが「人に物事を任せるとは、失敗する権利を与えること」という言葉を聞いて、考えるところがあった。次は誰に失敗させるか。誰の失敗なら受け入れられるか。そういう判断。

選挙期間中に、気になった言葉をNGワードにしていって、その言葉を口にした候補者を減点していく、というのはよくやる。今回の場合は以下がNGワードになった。


  1. 絶対に約束を守ります!

    約束するということは、負債を負うということ。どんな借金をどういう態度で申し入れてくるか、そこを問う。返済計画を語ることなく「絶対に返済する」とだけ繰り返す人間に金を貸せるか。貸せるとしたら、限度額はいかほどか。

  2. ブレない

    他人からの説得を受け入れない、と公言する人物を政治家としてどう見るか。公約を違えることを変節とみなすか、学びの結果と捉えるか。ちなみに、自分は「君子、豹変す」を良い方の意味で使う派。ただ、学んだ以上は、その中身を開示してほしい。むしろ、そっちの願いのほうが切実だ。あと代々の総理が、打ち明け話のないまま憔悴していって、「見てはいけない物を見てしまった人」になっていくのは勘弁してほしい。怖い。SAN値が下がる。

  3. 希望

    これを口にする人は、現在の状況に既に絶望してしまってるのではないかと疑う。パンドラの箱が開いちゃった後の世界に住んでるのではないかと。なにより、希望を持つか否かは、最終的には各人の問題。希望を持てる世の中にするには、今困ってる人を助けるしかないよ。そもそも、希望さえあれば……という考え方が、自分は苦手。

  4. 全力

    自分にとっては「仕事できる時間のうち、何割をその仕事に振り分けるか」という問題。だから「全力で」という言葉を口にする度に、ポケットの中のビスケットのごとく、その大きさは半分になっていく。「何事にも全力で取り組む」という人の全力は、自分が思う全力ではないので、考慮の外として聞き流すことにしている。

  5. 緊急

    十何年、何十年も前から引きずっている問題を、任期4年の議員が「緊急」と言ってしまう時間感覚についていけない。タスク管理する気のない人なのか。政治家は官僚にとってお客様であるという意識の人なのか。自分も割と事大主義っぽいところがあるので、なおさらこういう言動をする人に引きずられるのを避けたい気持ちがある。


■政治家に望むこと

政治家の資質としてどうという一般論ではなく、自分が個人的に希望していること。一番は率直さ。「できないことはできない」「できると思ったけど、こういう理由で無理と分かった」自分を守ることを一旦脇に置いて、まずは直面している問題の複雑さ困難さをシェアしてほしい。言い訳歓迎。政治の主役は国民と言う人間が、自分で時限爆弾をタイムリミットまで抱え込むのはやめてほしい。

自分に対しても、官僚に対しても、国民に対しても、頑張ることを前提にしないでほしい。ガールフレンドにいい顔するために外食店の店員に横暴に振る舞うのはやめてほしい。どうしたら互いのストレスが少なくて済むか。そういうことを考えてほしい。