2023年5月28日日曜日

向ヶ丘遊園

向ヶ丘遊園とタイトルをつけたにもかかわらず、南武線 宿河原駅へ。(理由: 近いから)

最初の目的地はこちら。


藤子・F・不二雄ミュージアムへ

かつて、向ヶ丘遊園という遊園地があったとされる場所は、さる高名な漫画家の業績を記念した博物館になっている。


二ヶ領用水。宿河原駅からミュージアムに行くには、かつての用水路、二ヶ領用水を、しかも2回越えていく必要がある。こちらは宿河原堰で多摩川から取水された用水…を再現したせせらぎだ。

そしてさらに何かすると、今度はさらに上流の、上河原堰で取水された用水。こっちはコンクリートで固められており、ガンガン水が流れても平気っぽい作りだ。右側には水門が並ぶが、その奥は民家が並ぶ住宅地で、この水門が何をしているのかはよくわからない。

そして到着、藤子・F・不二雄ミュージアム。あんまり、マンガっぽくない。

入口に並ぶ列(人多い……)に入ると見えてくる、壁際の展示。やっと「らしく」なってきた。

企画展の展示。館内の展示室はここのような例外を除いて撮影不可。個人の作品なのだから当然なのだが、こういう記事では扱いにくいし、自分の内部記憶の中でも、どんどん折り畳まれ、上書き消去されてしまう。このブログに美術館に行く記事がほぼないのは、そもそも私が美術館をあまり好んでないのと、それを形にしづらいのとが理由である。

展示室の外、かつ「撮影禁止」の表示のない場所にあるものは、撮影が可能。そして、これ。こういう解析こそ、私が博物館に求めるものだ。
とはいえ、設立の目的が故人の業績と人となりの記念なのだから、私自身の希望の方が、博物館の主旨から外れたところにある点は否めない。

屋外にある展示物は、自撮りに記念撮影に利用可能。しかしこの土管、他の土管との接合をするための機構がないが…。

生田緑地の緑に溶け込むキャラクターたち。隠れているキャラクターや水景もある。この水が湧水なのか循環水なのかは不明。(後者かなぁ)

「早くこれになりたい」とサラリーマンがよくSNSにアップする奴。ただ、生きてる人間が実際にやると「かゆい」という感想しか残らないので。

皆様、元気でお過ごしでしょうか。
お会いできなくなって後、相当の月日も経ちましたが、昔と変わらぬ友情を。
(なお、若干の嘘と誇張が含まれています)

小田急向ヶ丘遊園モノレール

府中街道と二ヶ領用水を挟んだ向こう岸から藤子ミュージアム。
かつて小田急向ヶ丘遊園モノレールの向ヶ丘遊園正門駅があった、その跡地だという。

向ヶ丘遊園モノレールは2000年頃まで営業していたので、私が町田に住んでいた時期とカブっていて、乗る機会もあったのだろうが、そもそも向ヶ丘遊園に行く用事が無かった。そして用事も無いのにわざわざモノレール乗りに行く趣味も無く。(今も、ただ乗るためだけの移動はほとんどない)

モノレールの廃線跡は、歩道・遊歩道になっている。ただし、当時の情景を思わせるような仕掛けはあまりない。橋脚があったところには目印が(わりと無造作に)残されている。歩道(モノレール)のすぐ隣は先ほども述べた二ヶ領用水。転落防止柵には藤子キャラのシルエット。

藤子ミュージアムの隣には向ヶ丘遊園の大階段とエスカレータがそのまま残っている。小田急電鉄は、このあたりを再開発してキャンプ場にするようだ。むしろ今までよく放置していたなぁ。

向ヶ丘遊園の一部はバラ園として残されており、シーズン中(例えば、今日)だけ開園している。地面には、心のキレイな暇人にだけ読める字で「生田緑地 ばら苑」と書かれたプレートが埋められている。

モノレールの跡地を利用して設けられた「ばら苑アクセスロード」。奥の背の高いのは、モノレールの橋脚のミニチュア…だったが、飽きられたのかほとんど木の枝葉で埋まっている。
手前には藤子キャラ。私自身にとっての2大ヒーローの一角。『パーマン』だ。(もう片方は『帰ってきたウルトラマン』)

遊歩道を抜けると、もう、駅前。昔はモノレールがこの上を走っていたのだろう。

道路全体の幅に比較して、不自然に大きい中央分離帯はモノレールの跡。そして、自転車の駐輪場の場所にモノレール 向ヶ丘遊園駅があったのだとか。

現在の小田急 向ヶ丘遊園駅のオシャレな駅舎。なお、ここでいうオシャレな、というのは駅名が読みにくいという意味である。

もうちょっとモノレールとか、ケーブルカーとか、路面電車とか乗る機会を増やしていこうかな。首都圏でも結構廃線するものなんだなと知ってしまったことだし。

2023年5月21日日曜日

サービス終了のお知らせ

Twitterのbotを停止した。気がついたら、10年以上運営していた。


呼びかけると、事前設定してあるメッセージの中から、ランダムに1つ選んだ内容で返信する。これを使って、おみくじをやろうというものだ。

登録は2009年。東日本大震災前。日がな一日ネットにつないでいるような者達にTwitterが紹介され、日本語話者のユーザーが拡大し始めた頃。

きっかけは、日本一有名なニート、pha氏が公開した「EasyBotter」。レンタルサーバーに導入し、各種設定を行い、無料のサービスと連携すれば「あなたのbot」がTwitterという公共の場所で活動し始めるというものだ。技術的な興味を行動に移すのに、魅力的な手軽さがあった。

Twitterというサービス自体が売り出し中だったので、同社の日本代理店がまとめてた、botの紹介サイトに(他の多数のbotと並んで)掲載して頂いたりもした。
元旦に、その公式のアカウントから、「Twitterでひける、おみくじ」として紹介され、アクセスが殺到し、1年の計を立てるべきその日1日、対応に追われたりした。

とはいえ、多くの期間は利用数1~10回程度。障害でサービスが止まっても、「次の週末まで待って」くらいの超絶ゆるい運営方針だ。


技術的な話

初期:
レンタルサーバー上で、EasyBotterをそのまま利用していた時期。
Webサーバーのスクリプトとして実装されていたので、起動には他サービスからのリクエストが必要だった。この記事を書いたころくらいまで。

中期:
レンタルサーバーから、VPSに移行。EasyBotterを改造し、Webサーバーへの依存を切る。
スクリプトの定時起動に利用させて頂いていた、Webクーロンというサービスの利用が厳しくなっていた。また、環境に手を入れたいところ、サーバー運用の経験をしてみたい欲も出てきて、サーバーの管理者権限を持てるVPSに魅力を感じた。

Webクーロンは、あらかじめ決めておいた時間感覚で、ユーザーが登録したサイトにアクセスするというものだが、不特定多数のユーザーに無制限にやらせていたら、まんまサービス拒否攻撃なので、運営会社が白眼視されるようになった。ネットへの社会の依存度が増し、善意だから、無料だから、というのが言い訳にならなくなり始めていた。

後期:
VPSからGoogle Computing Engineに移行。VPSの性能と最低価格が上がってきて、遊びに使うにはもったいなくなってきていた。クラウドコンピューティングの環境で、その作法を学びたいという気持ちも若干あり。無料でできることが大きく、他でGoogle App Engineも利用していたこともあり、Googleに統合した。


コストの話

後期でのコストは1月当たり、数十円~二百円といったところで推移。レンタルサーバーが500円、VPSなら1,000円からくらいなので、恩恵は大きい。

Googleの、一番小さなサーバーを選んでおり、ネットワーク自体への負荷を気にするような利用数でもなく、ほとんどが無料枠の中に収まっていた。お金をかけていたのはGoogle上の仮想サーバーではなく、そのバックアップ。現在の設定・構成のものと、その1つ前のものとの2世代。私みたいな遊びでやっている者であればともかく、記録の喪失が一番痛いので、そこに一番力が入るようになっているのだ。

時間的には、メンテナンスを定期的に行うような複雑かつ重要なサービスでは全くないので、毎朝メールで送られてくるログのダイジェストを読むのが日課になるくらいだ。(このログも自分であれこれ仕込んで「送らせている」もの)

臨時メンテナンスが必要になったのは、セキュリティの維持のためにサーバーのOSなどをバージョンアップするときや、なんかの都合で詰まりが起こった時に引っかかっているものを取り除くときくらいだ。(何が詰まっていたかはその時々で異なる)

むしろ、bot自体ではなく、前述のログのメールが送ってこられなくなって、監視ができなくなって困ることが多かった。日々、皆を煩わせ、度々爆発もする迷惑メールだが、その対策の余波で、メールを送る方が越えるべきハードルも高くなっており、「1日1通、自分あて」みたいな気軽な利用をするには辛く(複雑に)なっている。


現在と今後の話

サーバーを停止したので、自動では何もしない。アカウント自体は残していて、「閉店」の告知場所となっている。

TwitterがAPI利用を有料化すること自体はあまり問題視していないというか、むしろ当然と思っていたのだが、設定された料金が月1万円越えるような金額になったので、私自身に関しては白紙となった。

月1万円払うに足るような用途が生まれたら、何か始めるかもしれない。が、それはお金を生み出す、というのとほぼイコールなので、Twitter以外、Googleに払う金額も相応のものとなるだろう。まぁ、無いなあ。

2023年5月14日日曜日

金沢動物園

GWの喧噪も過ぎた頃だろうし、そろそろ金沢動物園に行っておくか。

水族館、植物園、博物館、いろいろ回って動物園も候補地に挙がるようになり、複数箇所回れば「強いて挙げれば」くらいのお気に入り園もできてくる。金沢動物園は現在、その「お気に入り」に位置する動物園である。
……と、ブログの過去記事を探してみたら、なんとヒットなし。まだ何も書いていなかった。あれ、そうだったっけ?

天気予報は雨、低気圧が来た時の独特の頭痛を抱えながら金沢動物園へ(14ヶ月ぶり3回目)。


動物園への入口を脇に抜けるように「ののはな館」へ。企画展が行われるコーナーなのだが、入口がわからないまま、帰宅後に企画展を見逃したことに気づくことを繰り返していた。ので、場所だけでも把握しておこう、忘れないうちに、という意図だ。

動物園を含む、「金沢自然公園」の全体模型。「動物区」は公園の左側。2/5ほどの広さ。残りの右側は巨大な滑り台とか水景とかがある、巨大な「植物区」だ。植物区とは言っても「植物園」ではなく、野鳥や虫などを含む「自然を楽しむ」場所というあたりの管理がなされているエリア。

おっ、「くるくるコイン」がある。くるくるコインは、募金する、というアクションを楽しませてくれる工夫のある募金箱だ。千代田区にある科学技術館の方の発明だったと記憶している。意識を保たないと、財布の中の硬貨がどんどん飲み込まれていく危険な装置だ。

なんとなく、既にして本日の目的を達成した感が出てきたところで、本命の動物園に向かう。


横浜市立金沢動物園は「公益財団法人 横浜市緑の協会」が指定管理者として管理する、横浜市立の動物園である。
横浜市立の動物園が現在3園あって、「駅チカで立ち寄りやすいコンパクトな『野毛山動物園』」「他種多様な展示と生物種を誇る『ズーラシア』」が他にある。じゃあ、この「金沢動物園」はどうなの?と聞かれると若干売りを説明しづらい。

繁殖賞メダルが並ぶ。金沢動物園は割と繁殖力強めの動物園。あなたの街の動物園にも金沢由来の動物がはびこっているかもしれない。でも、単純にメダルの数では上野、ズーラシアあたりが上をいってそう。

広場にある噴水は、園内の展示種でもあるヤマアカガエルの、野生での繁殖地でもある。 以前に行った際には、掃除だけするくらいの管理状況だったはず。だが、毎年産卵に来るカエルのための再整備が計画されたのだ。(2022年・写真右)

金沢動物園には、檻や堀での隔離を、あえて行っていない危険生物もいる。野生生物との距離感は肌で学ぼう。

キリン。与えられたエサを食べた後、それで満足できなかったらしく、堀内の木の葉に下を伸ばしているところ。アゴの下側や喉が見えている。
金沢動物園には金属の檻(ケージ)の類がなく、動物と人間を隔てるのは堀(モート)、あるいはガラスだ。互いに邪魔にならない距離を保ちつつも、なんとなく空気を共有している風でもある。
当日は雨で各種イベントも中止、他の観客も少なく。動物たちも、雨天の中で昼寝もできない、かといってテンションも上げて何かしようという気分にもならずといった感じだ。

アオバネワライカワセミ。割とこいつらを見るために、この園に来ている節がある。動物園に来る時はだいたい哺乳類が念頭にあるのに、いざ来てみて気に入るのはハシビロコウさんやヘビクイワシといった恐竜の子孫たち…。

カンガルーの庭。中に人間用の小径があって、カンガルーたちに監視されながら通り抜けることになるのだが、雨天のため本日は中止。ほっと一息。

12.8haという動物園として恥ずかしくない広さの敷地にあって、展示種は50種ほどらしい。(例えば八木山動物園は130種くらい)
動物と動物の距離が離れていて、人間も展示動物もいない静かな植物の世界に鳥のさえずり(場所によっては高速道路を走る車の走行音)が響く。
園内の竹林などは、草食動物の餌の供給源でもあり、園内全体がむしろ巨大なバックヤードの一部として機能している。
坂道が多くて、歩くのは大変。人出の多い晴れた日には子どもが泣き出すくらいだ。

秘かな人気スポット、しいの木山展望台。晴れていれば八景島シーパラダイスが見えたんだがなぁ。

身近ないきもの館。前述の噴水にいるのとは別に飼育しているのだろうけど、ヤマアカガエルもいた。

ヒアリ。ブームが過ぎ去り、定番の生きものとして、日常の中に溶け込んでしまったのか。withヒアリか。

カピバラ。雨天の中の水浴は辛くないのか……と思っていたら、湯気が出ていた。露天風呂だった。

ほのぼの広場。ヤギとポニーが黙々と食事中。ヒツジは雨天のため室内におり観覧不可。 右側のヤギはモチさん。小さい子にイタズラするので、警戒標識まで作られた困り者だったはず(右写真・2019年)だが、問題行動が改められたのか標識は撤去されている。

頭を抱えるシロテナガザル。天気痛仲間だ。

インドサイ。カメラを向けたら近寄ってきた。
動画の画角から外れた後は、一瞬だけ水浴びし、地面を転がり、身体を草にこすりつけるといった行動を一通り取ってくれた。そんなキャラだったかなぁ。よほどヒマだったのだろう。

寄り添う2頭のインドゾウ。手前の擬岩はゾウが近寄ったら放水する仕掛け。クラウドファンディング?とかの成果らしい。
現代の動物園では動物の待遇を改善するための施策を積極的に採っているが、この金沢動物園も例外ではなく、その試行錯誤が時折公式ブログに綴られている。例えば、このゾウ舎に関して言えば、床材のメインは現在ウッドチップのようだが、抽出済コーヒーの滓とか、他の材料も試しているようだ。

写真は2022年、開園40周年を祝うコーナーに掲示されていたもの。
住処を終われた野生生物が次々とレッドリスト入りし、希少生物として入手と飼育が困難となっていく中、新たな動物園像を求めて早々にコースチェンジしようとしているのがこの金沢動物園だ。
(市内に野毛山とズーラシアがあるから可能な前のめりという面もあると思うが)

オオツノヒツジ。人間をはるかな高みから見下ろすこの姿が、この動物園のシンボル。

雨で客入りが少ないのに気を良くして、動物園を二周した後、金沢自然公園の未踏査地域、「植物区」へ。動物園には少ない水場に行ってみる。

みずの谷。スイレンが咲く季節だった。
雨がドシャドシャ降ってきたので退散したが、こっちには晴れた日に来たかったな。

 「よこはまの動物園案内帳」改訂版と、その前のもの。
比べてみたが、動物の入れ替えの反映の他に、写真の差し替え等がいくつかあった。
変わっていないところの方が多い位なので、もとの版を持っている人は、わざわざ……応援する気持ちで買おう。
公園内のおみやげ店「ののはなショップ」では、横浜市内の名産品の類も取り扱っており、中でもドリップコーヒーがほしかったけど、そっちは次回に。