2019年7月20日土曜日

渋谷区ふれあい植物センター

板橋、夢の島と植物館を回ってみた後、もっと近場にも似たような施設があったことを知り、行ってみることにした。
JR渋谷駅から歩いていける場所にある屋内植物園、渋谷区ふれあい植物センターだ。

プチ聖地巡礼


センターは渋谷から恵比寿に向かう明治通りからちょっと回ったところにある。
そう言えば、このルートは『BEATLESS』劇中において、今から85年後の2105年にhIE(ロボット)のレイシアがファッションモデルとしてのデビューを果たす場所である。(ep.2)



巡礼の旅だ。かつてイベントが起こった場所ではなく、これから聖地になるところへの。

JR恵比寿駅の駅ビルにある喫茶店でお茶。
劇中では、駅ビルの中の喫茶店で、モデル契約の締結が行われ、そのまま初仕事の打合せに移る。
いくつか、それっぽい店を見かけたけど、割とオープンな座席の小規模な店舗が多く、とても商談に使われそうな店はない。結局、「それっぽさ」より「コーヒーがうまそうな」店を選んでお茶した。
(後から考えたが、ルノアールで良かったような気もする。駅ビルの中じゃないけど)

喫茶店を出て、少々歩くも「なんか違う」。ファッションモデルが歩いて絵になる場所ではない。油っぽい飲食店の店先でポーズを決めるモデルがいるだろうか。
そもそも自分の記憶にある恵比寿の町並みとも異なる。道を間違えたのだ。

スマホの地図を読み直し、進路を修正。見覚えのある場所に出て来た。
最初の目印にと考えていたリキッドルーム。かつてここでは『大槻ケンヂと絶望少女たち』のライブが行われていた。一体何年前だ。

         

リキッドルームは恵比寿駅から比較的広めの道路を通って、明治通りに出たところにあるので、ここがおそらくスタート地点だ。そのまま、渋谷方面に向かう。
間近にお寺がある。そう言えば、『BEATLESS』では、宗教系の建物や事物がほとんど言及されてなかった。まぁ、経済と政治権力と宗教の3点セット全部をまともに扱っていたら、とても収拾がつかない。描写しなくて正解だ。

2105年の明治通りはきれいなオフィスビル街として描写されている。2019年の明治通りには、女性が足を止めたら絵になりそうな花屋もある一方、あまりインスタ映えしない系の建物や、庶民的な飲食店も結構立っている。この辺をどう編集したのか、あるいはどの辺りの地点から撮影を始めたのだろうか。そんなことを考えていたら、目的地に着いてしまった。

ふれあい植物センター


都心の大通りの裏手に存在するだけあって、郊外にある施設に比して二回りも三回りも小さい施設だ。


前述の屋内型植物園と同様、ここも渋谷清掃工場の還元施設であるらしい。ただ、こちらは熱を利用するのではなく、ゴミ焼却熱を利用して発電した電力を利用しているとのこと。

「日本で一番小さな植物園」の中の、日本で一番小さいであろう「大温室」。
先に訪れていた2館が、「あちこち歩き廻って、いろいろ見てよ」というコンセプトだとすれば、こちらは「とにかく座って、植物のある風景を眺めて」というものだ。
温室内のあちこちにテーブルや椅子、ベンチがあり、麦茶のサーバーすらある。




珍しく魚を展示している水槽。見事なものだ。これで外来魚の展示コーナーでさえなければ……。

種などを集めたコーナー。容器など、小物のセレクションのセンスが若い。


ホタルを育てているコーナー。しかし、旬を過ぎていた。

テラスのハーブのコーナー。隣には清掃工場が。


現在の特別展示はカブトムシ。コーナーの中で放し飼いされているのを捕まえてみる。

渋谷へ


ふれあい植物センターの中にはさすがにレストランはないので、再び明治通りから渋谷を目指す。
明治通りからモヤイ像方面に回る巨大な歩道橋。2105年までには更に拡張されて、駅を囲むような巨大な中二階となるはず。作中と違い、まだ工事中なので回り道しながら進む。

ハチ公前。3体のロボットのモデルの合流場所。今はまだハチ公が外国の観光客の注目を集めている。ロボットのモデルはまだ来ていない。

ショーのメイン舞台となるスクランブル交差点。

その後、レイシアは文化通りを昇っていくはず。途中には、強面のルメール少佐も女子高生時代に入り浸っていたに違いない109。

そのまま道なりに進んでいたら、なんか"Boy Meets Pornography"な感じの通りに出た。これはレイシアの演じるイメージと異なる。またしても道を間違えたのだ。

終着となる、東急本店。ここであの「誘拐犯」とだけ呼ばれる、可哀想な男と出会うのである。(ep.2, 3)

一通りの行程を辿り終えたので、これにてプチ聖地巡礼は終了。
最後に、仕事道具へのこだわりも深いであろう、名高き民間軍事会社、HOO(ハンズ・オブ・オペレーション)の基幹部員も足繁く通うことになるであろう、東急ハンズに立ち寄って帰宅。私にとっては、ここもあこがれの聖地の1つだ。
(HOOって、まさか東急資本じゃないだろうな……)

2019年7月17日水曜日

聖地巡礼

行ってきましたよ。聖地巡礼。

『御先祖様万々歳!!』の聖地である、茨城県大洗町に行ってきたよ。


中古のレーザーディスク買って、全編通して観たのがもう二十年くらい前である。遅すぎた巡礼。

今回は、私にしては珍しく同行者がいる。一人はガルパンさん(大洗リピーター)。もう一人は釣り人である。二歩目にして空中分解しそうな三人組だ。

1日め


水戸駅で合流の後、クックファン水戸店に。戦車の形のトンカツが人気。……のようだが、スルーして一般人向けのオススメっぽい牛カツを。
店内のあちらこちらに、ガルパンのファンが持ち寄ったのであろうイラストや、出演者のものとわかるサイン色紙が飾られている。
うらやましい。きっと昔は『御先祖様万々歳!』の色紙で埋まっていたはず。見たかった。

大洗に到着して、まずは聖地のご本尊たる大洗海水浴場に向かう。何しろ広すぎて劇中の場所と一致する場所は分からないので、駐車した場所からほど近い砂浜に出る。

小さな子供みたいな鳥居が、波間に取り残されていた。親みたいな鳥居は飲食店と広い通りを挟んだ、その向こう。まぁ、親の目があるならいいのかな。

親の鳥居をくぐって、長めの階段を上る。一段一段が大きいからか、膝にきた。体力的には楽勝なくらいなんだけど。

階段登った先の磯前神社(「いそまえ」と間違って覚えていた。正しくは「いそさき」)に旧海軍の軍艦の碑が。



正しくお祈りできるほどの知識(どこで沈んだか、とか)もなく、「解体しちゃってゴメンなさい」と言うのも憚られたので、遠目から。

神社にお参りした後、併設されている海洋博物館に。
入ってすぐの所に、入館者が持ち寄ったのであろうアレコレが展示されている。


海洋博物館には、古生代から現代までの生物進化を思わせる様々な生物……のホルマリン漬けが展示されている。
中には水族館で泳いでいる姿をよく見かける魚もいるので、割とショッキングなビジュアルだ。(いや、水族館でも魚は普通に死んでいってるんだろうけどさ)
生物進化が哺乳類(クジラ)まできたところで、展示の主旨は地場産業である水産業へ。
……という順路を逆に辿ってしまい、そこは空振りになってしまった。いつか再挑戦するぞ。

神社の境内に戻って、ガルパン絵馬が飾られている一角に。おびただしいほどの絵馬の量だ。日付を見ると放送当時からのものもあるようだ。
明らかに、当日この場で描いたものではないだろう気合いの入ったイラストも多い。旅館に宿泊して描いてきたのだろうか。

ガルパンの神様(ファンにとっては)に対する信仰とお願いとちょっぴりの自己顕示(人によっては)。
歌だ踊りだ、数学の問題だ、その解答だ、と。神様自身のニーズは一旦脇に置いて、古来から人々は自分の自慢できるものを、悪く言えば手前勝手に「奉納」してきた。
神様の膝元で、信者同士がコミュニケーションを重ねてきた歴史を思うと、これは日本の原風景の最新版なのだとも思えてくる。

皆が知ってる赤い橋にほど近いホテルにチェックイン。一休みした後、幕末と明治の博物館  へ。私自身としては本日メインの立ち寄り先である。


エントランスに入ったら、いきなりイイ感じに不健康っぽい女子高生がいたので、つい本人に断らずに写メ撮ってしまった。犯罪者だ。
慌てて聞いてみたら、むしろ彼女自身とその背後にあるもの以外が撮影禁止とのこと。九死に一生を得た思いだ。
なお、後から調べたところによると、彼女(おりょう)の実家は他にあり、ここには遊びに来ているだけのもよう。

展示物は、感覚的には幕末2割、明治8割といった量。
幕末はストーリーと英雄列伝的な展示。対照的に、明治の展示物は皇室ゆかりの品々と、昔の大洗を思い起こさせる数々の品々。
ここで、「大洗まいわい市場」の「まいわい」が「万祝」であることを知る。何の根拠もなく、勝手に適当な造語だと思い込んでいた。恥ずかしい。(いわゆる『まいわいショック』)


ホテルにて、なぜか晒されている女子高生の写真と住民票。大洗町の個人情報保護はどうなっているのか。
ちなみに夕食。「私はあと○回の変身を残していますよ」的な。





私自身は腹八分目というところだったが、同行者が満腹&疲労してしまっていた。1日めはこれにて終了。



2日め


朝食はもちろんホテルで。提供されるコーヒーは「観た人ぞ知る」SAZA COFFEE

ここから写真が減る。他の客を巻き込まない写真を撮るのが難しくなってきたからだ。

シーサイドステーション近くの古着屋さんに寄った後、SAZA COFFEEの実店舗でお茶。
SAZA COFFEEくらい、品川にだってあるわ!(ただし、京急民なので入店すら有料)

次いで、(自分的には)2日めのメインである、わくわく科学館へ。
入口近くに、大洗町の紹介コーナーがあり、ガルパンさん向けの商品展示もある。
(なぜだ……。町民向けの施設だろうに……)

運営者が日本原子力研究開発機構なので、「放射能、ここだけの秘密。実は食うとうまい」的な展示を半ば期待していたのだが、わりと薄味だった。
科学成分はそこそこに、実態としては子供の遊び場である。展示物は、子供が触って遊べるものが多く、同行者は「ウチの県の科学館よりしっかりしてる」と好評価だ。
ズルい、「ウチの県」にも原発あるのに……。おいでよ原子力マネー。むしろマネーだけおいでよ。
公園でも遊びたかったが、雨天なので断念。また来よう。

お昼は沖苑。定食プラス1品だけの注文。なのに、久しぶりに「焼肉」を食べた満足感を得られた。
最近、意識が高くて肉が薄い焼肉屋と、集成肉の焼肉屋と両極端で、結局家で焼いてたのだ。「今日、焼肉を食べた」とわざわざメモしてしまった。

マリンタワーにも登る。
上階にあるガルパンカフェ「Panzer Vor」は、ガルパンさんでない一般市民の皆様(あるいは、そのように見える人々)も利用していた。
小さめのメロン半個の上にソフトクリームが乗っている特別メニューがあったので、注文した。

騙された。スケールがおかしい。
普通のメロンの上に、ソフトクリーム2つが横に連接されたような形で乗っかっているのだ。あきらかにお一人様用ではない。
……と思ったら、意外にあっさりいけた。ソフトクリームがこってりタイプではなく標準的な甘さで、甘味をメロンに任せるというコンセプトなんだろう。

その後、最上階の展望台へ。ちょうど「さんふらわあ」が接岸するところだった。
各種イベントが行われる広場を見る。そもそもイベント日を避けて来ているので、会場は無人だ。

その後、商店街へ。日程決めてから知ったことだが、商店街のお祭りの日(曲がり松商店街 夜市)だったらしく、店の前に屋台が並んでいた。
地元の人に、ガルパンさんが混じっていて、しかもそれなりの人数だ。普段を知らないで言うが、わりと賑わっている感がある。
「声優の誰々さんが来る」とかでもないのに。来る方も迎える方も付き合いがいい。
商店街を2, 3度往復し、揚げ物を2, 3個食べる。その後、酒蔵(月の井)の直営店で推しキャラの酒を買い、一番可愛い女の子がいる店(飯岡屋水産)でお茶漬けを買って、2日め終了。

帰宅後

もともと滅多にアニメのグッズを買わない人間で、2日間あちこち回って、買ったグッズ系商品はこれだけだ。(そもそも買う以前に、もらえるものが多かった……)
あまり「辛口」は好まないので、本当にキャラ推しだけで購入した酒だ。辛口であること以外は満足だったので、次は辛口でない酒を飲んでみたい。通販。蝶野さん。


「アニメで町おこし」の成功例として語られる大洗だけど、町を挙げて一斉に幟を掲げるという感じでなく、ゆるやかな有志連合があるという雰囲気。
各店の関わりも割と濃淡がある。一方で、看板娘を掲げないところでも、さりげなく窓にステッカーを貼っていたりする。
行政や公共系の建物も、自分たちが音頭取ってる風でもない、かといって無視するでもない、やんわりとした関わり方だ。
内実はともかく「やらされ感」を感じさせないところがうまいと思った。