JR渋谷駅から歩いていける場所にある屋内植物園、渋谷区ふれあい植物センターだ。
プチ聖地巡礼
センターは渋谷から恵比寿に向かう明治通りからちょっと回ったところにある。
そう言えば、このルートは『BEATLESS』劇中において、今から85年後の2105年にhIE(ロボット)のレイシアがファッションモデルとしてのデビューを果たす場所である。(ep.2)
巡礼の旅だ。かつてイベントが起こった場所ではなく、これから聖地になるところへの。
JR恵比寿駅の駅ビルにある喫茶店でお茶。
劇中では、駅ビルの中の喫茶店で、モデル契約の締結が行われ、そのまま初仕事の打合せに移る。
いくつか、それっぽい店を見かけたけど、割とオープンな座席の小規模な店舗が多く、とても商談に使われそうな店はない。結局、「それっぽさ」より「コーヒーがうまそうな」店を選んでお茶した。
(後から考えたが、ルノアールで良かったような気もする。駅ビルの中じゃないけど)
喫茶店を出て、少々歩くも「なんか違う」。ファッションモデルが歩いて絵になる場所ではない。油っぽい飲食店の店先でポーズを決めるモデルがいるだろうか。
そもそも自分の記憶にある恵比寿の町並みとも異なる。道を間違えたのだ。
スマホの地図を読み直し、進路を修正。見覚えのある場所に出て来た。
最初の目印にと考えていたリキッドルーム。かつてここでは『大槻ケンヂと絶望少女たち』のライブが行われていた。一体何年前だ。
リキッドルームは恵比寿駅から比較的広めの道路を通って、明治通りに出たところにあるので、ここがおそらくスタート地点だ。そのまま、渋谷方面に向かう。
間近にお寺がある。そう言えば、『BEATLESS』では、宗教系の建物や事物がほとんど言及されてなかった。まぁ、経済と政治権力と宗教の3点セット全部をまともに扱っていたら、とても収拾がつかない。描写しなくて正解だ。
2105年の明治通りはきれいなオフィスビル街として描写されている。2019年の明治通りには、女性が足を止めたら絵になりそうな花屋もある一方、あまりインスタ映えしない系の建物や、庶民的な飲食店も結構立っている。この辺をどう編集したのか、あるいはどの辺りの地点から撮影を始めたのだろうか。そんなことを考えていたら、目的地に着いてしまった。
ふれあい植物センター
都心の大通りの裏手に存在するだけあって、郊外にある施設に比して二回りも三回りも小さい施設だ。
前述の屋内型植物園と同様、ここも渋谷清掃工場の還元施設であるらしい。ただ、こちらは熱を利用するのではなく、ゴミ焼却熱を利用して発電した電力を利用しているとのこと。
「日本で一番小さな植物園」の中の、日本で一番小さいであろう「大温室」。
先に訪れていた2館が、「あちこち歩き廻って、いろいろ見てよ」というコンセプトだとすれば、こちらは「とにかく座って、植物のある風景を眺めて」というものだ。
温室内のあちこちにテーブルや椅子、ベンチがあり、麦茶のサーバーすらある。
珍しく魚を展示している水槽。見事なものだ。これで外来魚の展示コーナーでさえなければ……。
種などを集めたコーナー。容器など、小物のセレクションのセンスが若い。
ホタルを育てているコーナー。しかし、旬を過ぎていた。
テラスのハーブのコーナー。隣には清掃工場が。
現在の特別展示はカブトムシ。コーナーの中で放し飼いされているのを捕まえてみる。
渋谷へ
ふれあい植物センターの中にはさすがにレストランはないので、再び明治通りから渋谷を目指す。
明治通りからモヤイ像方面に回る巨大な歩道橋。2105年までには更に拡張されて、駅を囲むような巨大な中二階となるはず。作中と違い、まだ工事中なので回り道しながら進む。
ハチ公前。3体のロボットのモデルの合流場所。今はまだハチ公が外国の観光客の注目を集めている。ロボットのモデルはまだ来ていない。
ショーのメイン舞台となるスクランブル交差点。
その後、レイシアは文化通りを昇っていくはず。途中には、強面のルメール少佐も女子高生時代に入り浸っていたに違いない109。
そのまま道なりに進んでいたら、なんか"Boy Meets Pornography"な感じの通りに出た。これはレイシアの演じるイメージと異なる。またしても道を間違えたのだ。
終着となる、東急本店。ここであの「誘拐犯」とだけ呼ばれる、可哀想な男と出会うのである。(ep.2, 3)
一通りの行程を辿り終えたので、これにてプチ聖地巡礼は終了。
最後に、仕事道具へのこだわりも深いであろう、名高き民間軍事会社、HOO(ハンズ・オブ・オペレーション)の基幹部員も足繁く通うことになるであろう、東急ハンズに立ち寄って帰宅。私にとっては、ここもあこがれの聖地の1つだ。
(HOOって、まさか東急資本じゃないだろうな……)