2021年6月28日月曜日

多摩ゾン川を越えて(行かない)

半年間の施設メンテナンスが終了。いよいよ……と意気込んだら1週間で緊急事態宣言により休業……。気がついたら、最後に行ってから一年近く経ってしまった。
板橋区熱帯環境植物館(グリーンドームねったいかん)だ。

最寄りは都営三田線の高島平駅。今まで降りたことのない反対側の出口にも寄ってみた。駅出て大通りの反対側がすぐ、ちょっとした緑地なのだ。

稼働していない噴水は、廃墟のイメージを醸し出す絶好のアイテム。

リニューアル後のねったいかんの外観。なんかスッキリした感じだ。入館待ちの列が出来ている。そんなの、今まで見たことなかったがなぁ。えっ、入館制限もしてるの?区外の住民としては遠慮した方がいいのかなぁ。ここは断念しよう。「利用者減につき、廃館します」という寂しすぎる状況とは真逆なので。

とは言え、都心から離れていることもあり、何か他に行く園館の当てがあるわけでもない。
荒川でも見に行くか。新幹線とかの車窓からしか見たことなかったし。そんなときに「これが荒川」みたいな感慨を抱いたこともなかったし。


周りの木々を押さえ込むように大きく成長した天然のガスタンク。養殖ものより良質のガスが採れるのだろうか。

荒川まではそんなに遠くないが、手前にもう一本越える川がある。新河岸川だ。右(西)側に見える背の高い構造物は清掃工場のものだろうか。

荒川だ。左(東)に上れば秩父。右(西)に下れば、葛西臨海公園。どっちも遠い。

河川敷の一角に、背の高い草木に囲まれた場所が。特別な場所なのだろうか。

人工・自然のないまぜになった段々。階段にしては一段一段が大きい。巨人の造った施設だろうか。

謎の神像。地元の住民……人間とは限らない……の祭っていた神のものだろうか。

草木に囲まれたエリアに近づいてみる。外周に沿って歩くと、ガサゴソとこちらを誰何するような物音がする。鳥獣、あるいは蛇のようなものが周囲を警戒しているのかもしれない。

ここは地元民……おそらくは巨人族……の聖域(サンクチュアリ)であったようだ。

入口は閉ざされてはいないようだ。出口は定かではないが。

この地を訪れる参拝者……有翼の……の図版。時とともに彼らの存在感も次第に薄れていっているようだ。

聖域を訪れる鳥たちを人間が眺めるためのデッキ。東京港野鳥公園や葛西臨海公園にあるものと異なり、人間(あるいは巨人)の姿を隠すための仕掛けがない。ここ、聖地では人間(おそらく巨人)と鳥は対等の立場であったのだろう。神に仕えるものとして。

干潟に囲まれた、その向こう側がサンクチュアリ。鳥と巨人族が対等であるかのように考えてきたが、誤りだったかもしれない。サンクチュアリの中から、鳥の鳴き声が聞こえてくるのだ。そういえば、先ほどの図版にも鳥類の姿しか描かれていなかった。

古代文明の遺跡を、ちょっと離れたところから。

気分的には、もう「帰り道」。Googleマップ見て、たまたま目にとまった「板橋区立へび公園」覗いて帰ろう。そんな心算だった。

えっ?アマゾン展?どこで?
……ねったいかんだ。
それで、あの人出だったのか。

氷のように謎が解けていく。
これは混雑するだろう。混雑するはずだ。混雑しなければおかしい。
都民は「都内から出ないように」というメッセージを日々受けている。都内からもっとも近いアマゾン……川崎水族館に行くことができない。多摩川を越えられないのだ。 もう一度行こう。今度はアマゾンへ。回れ右することになるかもしれないけど。

板橋区立へび公園(蓮根川緑道)。
2匹の白い大蛇。この遊具が名前の由来……らしいのだが、不自然な話だ。それではまるで、公園になる以前からこの遊具が存在していたということではないか。
いかなる者が遊具を造ったのか。巨人族か。

しばらく緑道沿いに進むと、前谷津川緑道という別の緑道に出る。
こちらは絶えることなく水を流しているようだ。
こういうのがいいんだ。涼しい。

ねったいかんに戻ってみたら、待ち行列は解消されていた。さてさて、1年ぶりのねったいかんの中は……。

ナガクビガメの首の長さを称える動画。

もともと「都内の水族館」を探した中で、「ミニ水族館のある熱帯植物館」としてアンテナに引っかかったのが、この館だったのだけど。回を経るごとに水族館を見る時間が減っているような気がする。
定番をしっかり押さえているが故のことであるけど、やはり、他の場所で見られないものを、と目が先を追ってしまう。

例えばそれは、ねったいかんのアイドル、チャオちゃんである。
チャオちゃんの泳いでいる水槽は、このミニ水族館のなかで最も大きいものであると同時に、大温室の一部でもある。


久しぶりのねったいかんは、外見から受けた印象とあまり変わらず、以前より大分スッキリして見えた。
水槽の魚たちもソーシャル・ディスタンスを保って泳いでいた。

温室の中の植物も、密度がさほど落ちているようには見えないのに、見通しが良くなった感じだ。
以前は覗き込むように見ていた水場も、勢いを増し、自然に目に入ってくる。

「ワン・ピースの『悪魔の実』だよ」と言われたら、信じてしまいそうなデザインの実と種。

検閲を受けて、一部伏せ字になった紹介文……ではなかった。単にルビが大きいんだね。

 館のシンボル。ムッちゃん……あまり動かない。

高山植物を育てるために、冷房のかかった「冷室」。暑がりの私には、ありがたいスポット。

「見よ、この偉容」。
規則正しく並んでいない大小の木々が、視覚による遠近の認識を阻害する。
そして、バックヤードとして使われているのであろう、すき間からも植物がのぞく。

「アマゾン展」は特別展として行われるのだが、もともと館のイベントスペースが小さいので、それほどのものにはならないだろうと見込んでいた。
過去の特別展も、着眼点は面白いのに、展示物が厳選されすぎててボリューム不足であることが多かった。
今回もさほどの規模にはなるまい、とたかをくくっていたのだが。

大小の水槽に、さまざまな魚が。写真はないが、アロワナとかピラルクとかの大型魚も、わざわざ小さい子を調達して展示していた。

黄金色に輝くカエル。

多摩川へのツッコミも忘れない。

他の客を避けられないので、写真は撮らなかったが、映像の上映コーナーまで設けられていた。
ここ、こんなに広い場所だったかなぁ。

今回は「だいぶフンパツした」感じだったけど、この規模の特別展が期待できるようだったら、一年に1度2度とかじゃなく、もう少し頻度を上げたい。


その後、雑貨を買いに池袋に。ハンズとロフトを回ったけど、目当ての商品は見つけられず。
代わりに、池袋西武の屋上に、稲荷神社を見つけた。
予定にないコースを遠回りして、買いに来たものは売ってなくて、久しぶりに「休日」らしい休日になったなぁ。