2022年8月28日日曜日

宮ヶ瀬ダム

 YouTubeの動画を見ては、「ダム見に行きたい」と思いつつ、実際に足を伸ばすこと甚だ少なし。車がないと行けない山奥ばっかりだし。

せめて関東で、公共交通機関で、日帰り出来るところくらいはと。

初の宮ヶ瀬ダムである。

小田急本厚木駅からバスでさらに1時間。1時間に1本とかのペースだと、気軽に途中下車して……というムーブにならないので、心とトイレの準備が必要な行程になる。

県立あいかわ公園を抜け、新石小屋橋を通ってダムに向かう。ダムの貯留地から水漏れが……と思ったが、そうではないらしく、「大沢の滝」と名前が付いている。


なんというか、物の大小の感覚がおかしくなるくらいのスケール感だ。

もうちょっと、正面に回って、穴を見てみたい。

上の3つに仕切られている長方形の穴が非常用洪水吐(ダムの容量を越えた水を漏らす穴)。
中程の2つが高位常用洪水吐(洪水を防ぐための蛇口)。
右下の建物みたいなところについている穴が低位常用洪水吐(同上)。
低い側の常用洪水吐はあまり頻繁には使わないらしい。発電・水道などでの利用があるからか、台風とかの場合を除き、頑張って水位を下げるものでもないみたい。

ケーブルカーではなく、なぜかインクラインと呼ばれている乗り物でダムの上、水とエネルギー館に向かう。「東京索道」という車両製造会社のプレートが。専業の会社があったんだね。下を見たら割と怖かった。

最近、到着したら時計を見る間も惜しんで、早々に食事をする癖がついている。行列と混雑を避ける行動様式が染みこんだのだ。

ダム堤体の下にあるゲート(ソーセージ)を開けて放流。事前に放送を流して、野菜類を避難させておかないと増水した川に巻き込まれる者が出てくる。
カレーは辛めで「ハチミツもあります」と店員が事前に声をかけてくれるレベル。


水とエネルギー館の見学施設「ウォーターミュージアム」の一角にダムアワードのパネル。ダムファンが投票で選んでいるらしい。低水管理賞は「水不足にもかかわらず利水放流を続けた」やりくりの工夫・努力を称えるものらしい。目線が完全に玄人寄りだ。極端な話、ダムの大きさや見栄えなどは建ててしまえば決まってしまうので、毎年「あれが良かった」と言いたい古参ファンほど、中の人や組織に目が行くのだろう。きっと。

同じく水とエネルギー館の2階で見つけたししおどし。若干の唐突さを感じるが、ついつい見入ってしまう。

さて、天端へ。

欄干みたいな転落防止の造りは割と太めで、直下を除きにくくなっている。


展望台の階段に掲げられていた夜間工事のパネル。24時間施工だったのだ。時期的にはリゲインが「24時間戦えますか」のCMを流していた頃だろうか。


選択取水設備がある。環境にやさしいので。まぁ、見て何が分かるという形状でもないけど。

観光放流する(混雑)日を外して行ったので、放流の様子は見られず。発電用他の利水放流はしているはずだが、そのような音も聞こえず。放流口が見えるアングルも判明せず。何の口だか分からないところからチョロチョロと水が漏れ出ていた。


石小屋ダムと呼ばれる、宮ヶ瀬副ダム。宮ヶ瀬ダム本体みたいな無茶苦茶なスケールはなく、落ち着いて見ていられる。ダムの表面の模様、自然の岩石を模した周囲の造形は石小屋という地名と以前の景観を思い出すよすがに、ということなのだろうか。
副ダム単体で見ても面白いが、本体のスマートさとのデザインの対比がいい。

こちらでは大々的に利水放流していた。ドババババババ……。

あいかわ公園に戻って、こちらは愛川町郷土資料館。かつてこの地にいた住民が使役していたアケボノゾウの化石が展示されている。彼らの超古代文明がなぜ、どのように滅んだかは謎に包まれたままだ。

資料館の常設展示は、「子どもが触って学習」みたいなものはなく、動植物のレプリカや剥製、歴史や風俗の資料を単純に展示しているもの。美しく見応えがある。役行者&前鬼後鬼とか、メガテン好きにはうれしい展示物も。

今回はダムを見に来たわけだけど、宮ヶ瀬湖・あいかわ公園の他のエリア、宮ヶ瀬湖畔、鳥居原あたりも行ってみたい。

とは言え、翌日にしっかり響いた。日帰りでの外出はこのくらいの距離が上限か。

2022年8月7日日曜日

相模川ふれあい科学館

 最近買った、こんな本。


「イラストで読む建築 日本の水族館 五十三次」。日本全国の水族館を、建築物としての観点から紹介していく本だ。
「沖縄美ら海水族館」「アクアマリンふくしま」みたいな巨大、かつ特徴のある建築物はもちろんのこと。「山梨県立富士湧水の里水族館」みたいな、小規模ながらも尖った特徴を持つ水族館も写真とイラストで解説している。美ら海水族館(総水量1万トン)と湧水の里水族館(総水量300トン)に割くページ数が一緒の水族館本って、なかなか無いのではないだろうか。
生き物の解説は全くと言っていいほどない。その代わり、各館の設計者や施工会社がスペック表になって載っている。
私のフェイバリット水族館である「しながわ水族館」のページもある。アザラシ館のおかげか。残念ながら「カワスイ」は載っていなかった。既存のビルにテナントとして入っているだけだから仕方が無いか。(あれはあれで大変な工夫と苦労がありそうなんだけどなぁ)
また、「板橋区立熱帯環境植物館」が無いのも残念だった。植物園の「底」の一部が水槽になっていて、そこに巨大エイのチャオちゃんが……。まぁ、こういうところまで取り上げたらキリがないか。