川崎駅前に開館したばかりの水族館、カワスイ(川崎水族館)である。
水族館である。
コロナ禍の中で、よほどの決意と覚悟のもとで開館したのであろうと思われた。
一方で、当初の想定になかったであろう災害のために、空振り、あるいは裏目に出ている施策もあるようだ。
冒頭の写真は、併設のカフェの一部で、猫と遊べる予定だったエリア。現在は閉鎖中で、ネコの店員達は無聊をかこつ……こともなく、自由を謳歌している。
この手の施設には珍しく館内の多くの場所が飲食可能で、食べ歩き用のソフトドリンクやスナックが売られている。ただし、同時にマスクの着用も呼びかけられており、手を伸ばす客は少なかった。
水族館・動物園にはつきものの、展示生物の解説。そういう情報を必要としない客にとっては邪魔ということなのだろう。Webの解説ページにリンクするQRコードに置き換えられている。展示生物の変更もやりやすくなるだろう。いい施策だ。ただし、生物の名前を確認するためだけに、一人一人の客がスマホを構えて1カ所にしかないQRコードを撮影する必要がある。これは、他人との接触が嫌われる昨今ではかなり辛いはずだ。
人一人分くらいの幅の小さい水槽がたくさん並んでいて、客によっては全く動かず、しびれを切らした他の客があきらめて素通りしていく場面も多く見られた。(シャッター音が連続で数分続いてたりもしたので、スナップ写真とかじゃなく、「推し」を撮りにきたガチ勢なのだろうと想像する)
大水槽を作らず、小さい水槽をたくさん用意して、展示生物種を増やすというのは既存の商業ビルの中であることを考えると、極めてまっとうな考えのように思われる。ただし、前述のQRコードがうまく機能していないので、ナマズとアロワナばかりの水族館という印象が最後に残った。いや、それぞれ生物種も棲息地も違うんだろうけどさ。
(例えば、やけに暗い水槽の中にいた、身体の長い魚。彼(または彼女)がデンキウナギであることにノーヒントで気づける客がどれほどいるだろうか)
とはいえ、色とりどりの熱帯魚を集めて「きれいでしょ」という、それだけの場所ではなかったので、十分満足だ。
植栽の多さもいい。もちろん、相模原には稲作してる水族館があるし、板橋区には植物メインで魚がサブの“ねったい館”みたいな場所、軽く迷子になれそうな緑地が傍らにある“葛西臨海水族園”もある。その中で「植物も見どころだから」と言い張るのは難しいと思える。ただ、立地や安全面を考えると割と限界に近いのではないか。
植栽の多さもいい。もちろん、相模原には稲作してる水族館があるし、板橋区には植物メインで魚がサブの“ねったい館”みたいな場所、軽く迷子になれそうな緑地が傍らにある“葛西臨海水族園”もある。その中で「植物も見どころだから」と言い張るのは難しいと思える。ただ、立地や安全面を考えると割と限界に近いのではないか。
今回(もちろん初めて)見て回って、イケてないなと思ったのは、昨今の状況と水族館のコンセプトの相性の悪さが解消し切れてないこととか、施設にまだ慣れていなそうなスタッフのオペレーションとかだ。
とはいえ、次に来たときには、軽く改善されていそうな気もする。
北にはアクアパーク品川、しながわ水族館。南にはヨコハマおもしろ水族館。さらに遠方にはすみだ水族館、京急油壺マリンパーク。強豪というか、キャラの濃い水族館が南北方向に並んでいる。ぜひとも川崎市民のために頑張って欲しい。そして、そのおこぼれを大田区民の私にもください。
(なお、大田区には乾燥した海藻を専門に、かつストイックに展示している、海苔のふるさと館があります)