社会には子供を傷つける可能性があるものがたくさんあるが、真っ先に出くわす可能性が高いものが人間の大人である。
故に彼らからの距離の取り方を叩き込んでおく必要がある、というものだ。
山中を車で走って「宮城蔵王キツネ村」へ。霧が立ちこめ、まさにキツネに化かされる10秒前という感じだ。
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この村の住人は100匹を超えるキツネたちとウサギらしい。
ニンゲンが村に入るに当たっては、入村料の他にいくつかの注意点があり、入り口で説明を受ける必要がある。
曰く、キツネに触ってはいけない。キツネに背後を見せてはいけない。近づいてきたキツネを片手であしらってはいけない……。
「噛まれるととても痛い」という共通の結論に至る幾つもの禁止事項が並べられ、子連れの親が誓約書にサインさせられるあたりで、察しの良い子供が怯え始める。
この村の住人は100匹を超えるキツネたちとウサギらしい。
来村者を出迎えるゴリラ……に化けているキツネ
ヤギに化けたキツネ
カラスに化けたキツネ
メカメカしいキツネ
この中に1匹だけ、ホンモノのウサギがいる
キツネ村は野生の王国。そこにいるのは家畜ではなく、野生の獣である。
ましてやキツネはお稲荷様の御使い。無礼な態度をとる者、隙を見せる者には容赦ない。
一方、キツネにとっては我が家の庭でしかないので、彼ら自身はダラけ放題である。うっかり踏んでしまわないように。