2019年6月9日日曜日

BEATLESS 次に読む本

性懲りもなく、『BEATLESS』を読み続けている。

文庫を何度か読み返しつつ、財布と相談しながらBlu-rayを1枚ずつ購入し、その間もprime videoで見返し……という無茶苦茶なハマリ方だ。
いろいろとフックに富む物語であるので、「これって何だっけ?」と思ったら文庫版やGoogle, Wikipediaで調べては舞い戻り、「こんな話どっかで見たぞ」と思えば他のアニメを見てくる、そんな見方になっている。既に作品単体「だけ」で見るにはもったいなくなっているのだ。

アニメとして、まずは『アイカツ!』。アイカツSFだから……とは言え、今のところアニメ版のスタッフやキャストといった、座組が似通っている以上の意味は見いだせておらず、なかなか視聴が進んでいない。
より多くリピート視聴しているのは『同居人はひざ、時々、頭のうえ』。人工知能ではない、もう一方のAI(Alien Intelligence)、ネコと人類の出会い(当事者同士にとってはファーストコンタクトだ)を描いた作品だ。

書籍としては以下の3冊。今のところは、だ。

棋士とAI
「AlphaGoに二重の意味で敗北した。棋士として、囲碁ソフトの開発者として」と述懐するトッププロ、王銘エンのAI本。

王先生は、自らが各種棋戦にエントリーするトッププロでありながら、囲碁ソフトの開発にも関わり、囲碁未経験者への導入のための教育法(純碁)の発明者でもある。およそ、日本でプロ棋士がやる仕事すべて経験しているのではないかと、私が尊敬する棋士の一人だ。
AlphaGoという《AI》から「今までプロが指したことのなかった手」という《人類未到産物》をいち早く渡されることになった人間の棋士たち。彼ら「囲碁という学問の研究者」の戦いぶりを見てほしい。そして次には、実は《超高度AI》では全くないAlphaGoの姿と、自ら戦略を生み出せない、紅霞が後に至るどん詰まりとを比べてみてほしい。
『BEATLESS』本編から遡ること90年。実際に起きた出来事をもとに書かれたスピンオフ。


サピエンス全史
人類の歴史を斬新な切り口で俯瞰した名著。どうせ、皆もう既に読んでいるだろう?

「アラトさん、人間が、人間の世界だと思っているものは、無邪気な信頼で支えられているのですよ」
長谷 敏司. BEATLESS 下 (角川文庫) (Kindle の位置No.3450-3451). KADOKAWA / 角川書店. Kindle 版.
チョロいチョロいと言われている主人公、遠藤アラトは一体どういう「ホモ・サピエンス」なのか。一見軽んじられているように見える彼が、どうしてあんなにモテるのか(人間からも、AIたちからも)。ある意味、人類進化のマイルストーンとも言える彼の実像に迫る本。そも、IAIAが守っている「人類」とは何者なのか。


強いAI・弱いAI
『BEATLESS』世界の重要なステークホルダーたる、《超高度AI》たち。彼らに至るまでの道のりに、どんな壁があるのか。
複数のAI研究者(そうでない人にも)への、インタビュー本。

「わたしには、魂はありません」
長谷 敏司. BEATLESS 上 (角川文庫) (Kindle の位置No.669-670). KADOKAWA / 角川書店. Kindle 版.
AIには果たして魂はないのか。魂がないモノを人工知能と呼べるのか。実は、まだ合意された結論はない(魂の厳密な定義が“まだ”ないから)、というあたりから面白くなってくる。
流行のディープラーニングなど、今はまだ人工知能の「パーツ」を集めている段階として、人間の脳の再現を目指す「全脳アーキテクチャ」なども紹介されている。
一方で、「脳にあたるコンピュータだけの人工知能はあり得るのか。生物としての身体の制約が実は知能の成立に必要なのではないか」という研究者もおり。単なる操り人形に留まらない、「本物の《レイシア》の何百分の一、何百万分の一」でありながら、おそらくは必須のパーツであり続ける《hIE主機》の意味を考えることになった。
素人が読むことを意図してのインタビュー集なので、ありがたいことにそのように読める。数式がほしい人は残念でした。


[オマケ] おっと、こちらも忘れないでくれよ。
機動戦士ガンダム00劇場版