2022年2月12日土曜日

東武動物公園

埼玉県に来た。

帰省時の経由地では無く、埼玉県に目的地があるのは久しぶりだ。


その名もズバリというか、東武動物公園駅。

駅から専用バスが出ているが、せっかくだから歩く。

農業の町、宮代町の町章。なんか見た事のある意匠だが……。

川だ。(姫宮落川)最近、コンクリート護岸の川ばかり見てるから、足を止めてしまった。

ぼんやり歩いているうちに着いてしまった。
行列とかなくて、若干安心。来園のピークは午後かららしいので、油断はできないが。

動物園に着いたはずだが、動物がいない。
目の前には大きな池、眺望を売りにしていそうな建物。
左に見えるのは巨大な木製のジェットコースター「レジーナ」(2019年営業終了)。建物はレストランだ。

この池はかつて周辺にあった、笠原沼に由来するらしい。
その笠原沼から流れ出す笠原沼落が、先ほどの姫宮落川と並行するように園の中と周辺を流れ、レジャー施設としては穏やかな風景を作り出している。


東ゲートから入園してから10分以上歩いた感じがするのに、一向に動物の気配が無い。
動物園は敷地の西側半分にあり、そこまでが長いのだ。しかも道は遊園地の中のアトラクションに阻まれるかのように蛇行している。


いいかげん、周遊バスみたいなものに乗れば良かったと後悔しかけたところで、やっと目にしたフラミンゴの姿。
(一年間お疲れ様でした、キュアフラミンゴ……)

真っ白なクジャク。動物園に着いた実感が出て来た。

ペンギン舎の中にある、ペンギン親子の像。追加料金発生の合図だ。

(東武なのに)ウェスタンな雰囲気のポニー乗り場。

日時計!久しぶりに見た。

園内の様々な動物を紹介する案内板の数々。

なんか、きれいな鳥を見つけてしまった。ヘビクイワシ。
私が気に入ったのはメスだったけど、オスはもっと鮮やかな色彩で、火の鳥ともあだ名されているようだ。

来てみて始めて存在を知った「ほたリウム」。
ホタルが飼育されている大型の水槽を、暗闇の中で皆で眺めようという主旨。
追加料金を取られる上に、暗闇に目を慣らすための準備時間も必要という若干敷居高めの施設ではあるが、それだけの価値はある。

ただ、本物を見たことの無い、小さな子どもにはイマイチ訴求しないようだった。

他所から買ってきたホタルを水辺に放つ事自体が自然破壊(遺伝的多様性)とされてしまう昨今なので、こういう施設の需要は大きそうなもんだけど。
もっと早くから、もっとあちこちにあれば、違った景色も見れたかもしれない。


オニオオハシ。立体感に乏しく、最初は写真が飾られているのかと思った。

東武よお前もか。ゴキブリのコーナー。

さすがに猛獣舎は人多かった。とはいえ、檻の前が人で埋め尽くされているというところまではなく、普通に観覧できる。
園の顔とも言える、ホワイトタイガー。後ろ姿の背中は意外に細く、女性達が驚いていた。

身体を壁にこすりつけて歩いているライオン。身体がかゆいのか、他の個体の匂いが気になるのだろうか。

彼らの食べ物。結構お値段しそう。

インドゾウ。

帰路はさすがに、先のルートをそのまま歩く気にはなれず、園内鉄道「太陽の恵み鉄道パークライン」を利用してみた。
機関車の向きを変える転車台、減速や駅を示す標識類から運転士の指さし確認まで、期待していた以上に鉄道鉄道していた。
線路は、先に名前を挙げた川(笠原沼落)のすぐ傍を走る。飼育動物でない野鳥が水面を泳ぐ風景の向こうに、巨大な木製コースター(「レジーナ」)が見えたり、園内管理用の道路と交差する踏切が複数あったりと見応えもある。

園内におみやげ屋さんがいくつかあって、そのうち2つを見たのだけど、品揃えが全然カブっていなかった。 長距離往復するのに抵抗ない人以外は、見たモノは即買っておいた方が後悔が少ないかも。見敵必殺。客単価上げろ~。

2022年2月8日火曜日

品川用水を巡……らない

今までも、ニアミスはしていた品川用水。

馬事公苑の近くとか戸越公園とか。

六郷用水や二ヶ領用水みたいに、せせらぎを再現……みたいなことは、やっていないようだし、暗渠巡りも住宅地の狭隘な道路ばかりになりそうで。ちょっと「ご近所」に遠慮して、後回しにする感じだった。

そんなときに見つけた、「しながわ観光協会」サイトの記事。

フォトグラファー渡邉茂樹「品川用水の面影」 (魚拓)

なんと、写真展の開催だ。


戸越銀座のフォトギャラリーに行って見たら、あったあった。しかも撮影者の渡邉氏自身が訪れた客相手に写真を解説していた。(もちろん、私自身も色々と教えていただいた)

鮮やかな緑色と、濡れたアスファルトの深い色あいの対比が、いかにも水際という感じで美しい。実際、アスファルトを水面に見立てた写真になるよう、狙って撮ったのだそうだ。


そのギャラリーで手に入れたのが、品川歴史館の企画展のチラシ。その名も「品川用水」だ。歴史館の学芸員の方も、この写真展を見に来たのだという。

そっちが来るなら、こっちも行くぞ。


東京都水道局の境浄水場のあたりで、玉川上水から分水し、中央線・三鷹~京王線・千歳烏山~小田急線・千歳船橋~田園都市線・桜新町(呑川の水源だ)……と南下して、品川区のあちこちに分流した後、目黒川や立会川に注ぎ込んで海に帰る。

いやぁ、文章ではなかなか伝わらないなぁ。地図になってると分かりやすいなぁ。


写真撮ったのは、お隣の三田用水の地図だけど。品川用水の地図は、1人1部のみお持ち帰り可能なものが用意されていた。区内各地に残る史跡、痕跡みたいなものも図示されている力作だ。むしろ、この地図をもらいに来たような形になった。実際、歴史に滞在していた時間より、自宅で地図を眺めている時間の方が長い。

地図をもう一つ。


品川が江戸時代、畑だった頃の産品。カブとかカボチャとか救荒作物っぽいものが多い。タケノコも多いなぁ。歴史館で売っていた品川用水の薄い本によれば、やはり水が乏しすぎて、水田での稲作には相当な苦労(というか、無理)があったようだ。

ありがたいことに、前述の地図にはお隣の三田用水の水路図も(大まかな全体像ながら)載っている。こっちはこっちで別に調べなきゃと思っていたので、たいへんありがたい。

そのうち、水源から辿ってみようと思うのだけど、たぶん1日では下りきれない。先にお隣の三田用水からだな。三田用水の方が距離短くて踏破しやすそうだし。(ただし、三田用水は、いち早く開発の進んだ、区の中心地を流れていたため痕跡はほとんど残っていないもよう)