2014年8月11日月曜日

アルドノア・ゼロに感じる不満

期待するところがなければ見ないで済ませればいい。第一話見て面白そうって感じたからこその不満である。
また、これから幾らでも構図がひっくり返る余地のある序盤の段階で、わざわざこのような事をかき立てるのは、ひとえに甲斐田ゆきさん演じるフェミーアン伯爵の早すぎる退場を危ぶむからである。彼女をここで失うわけにはいかない。もっとその声を聞きたい。それに尽きる。


戦闘シーンに緊張感がない

ロボットものなのに!当事者は緊張しまくっているのだろうが、私にはそれが伝わってこない。ではなぜ緊張感が伝わらないのか。

1. 主人公が試行錯誤しない
冷静沈着な主人公が、一見無敵であるかのように見える火星大王の弱点を見破って、味方に勝利をもたらす。とても良い。こうでなくてはならん。
ただ、その弱点を探す過程や、看破した弱点を突くための段取りとかがザックリ省略されているので、端からは「最初から正解を知ってました」という見え方になる。『Persona4Golden』じゃないのに。もうちょっと‘ギリギリ勝ちを拾った’感が欲しいところ。

2. 敵であるところの火星人がバカばっかに見える
たまたまそう見えているだけなのか、意図的にそうしているのか。では意図的なら良いかと言えばそうとも言えぬ。
アルドノア兵器を持っていて、地球の兵器に対しては無双状態。だから軍閥同士の勢力争いのほうが優先で、地球に対する戦果はライバル同士の優劣を示すチップに過ぎぬ。作品世界の中では合理性を持っている理屈立てである。が、ウサギとカメの競争で、ウサギが昼寝するとあらかじめ分かっていたら観ている方はシラケるだけだ。
火星人諸兄にももう少し必死になってもらわなければ。このままでは「火星人が間抜けで助かったね」という話になってしまいかねない。
例えば、「アルドノア兵器は、今後の生産も修復も不可能で、今ある37体のカタフラクトだけで無限沸きの地球軍と戦わなきゃならん」とかなら、彼らもライバルの退場に喜びつつ、同胞が数を減らしていくことに、だんだん焦りも生じてこようというもの。
あるいは逆に「主人公が見抜いた弱点に火星騎士自身もとっくに気づいていて、弱点をチラつかせながらこの小賢しい相手を虫取り網に……」というのでも良い。
おまえら油断しすぎ!地球人ナメすぎ!油断も過信も人間のリアルではあるけど、そういうリアルさは求めてないから。


私が危惧しているのは、火星人→ヴェイガン→ガンダムAGEという連想が実現してしまうことである。……大丈夫だよね?