2023年5月14日日曜日

金沢動物園

GWの喧噪も過ぎた頃だろうし、そろそろ金沢動物園に行っておくか。

水族館、植物園、博物館、いろいろ回って動物園も候補地に挙がるようになり、複数箇所回れば「強いて挙げれば」くらいのお気に入り園もできてくる。金沢動物園は現在、その「お気に入り」に位置する動物園である。
……と、ブログの過去記事を探してみたら、なんとヒットなし。まだ何も書いていなかった。あれ、そうだったっけ?

天気予報は雨、低気圧が来た時の独特の頭痛を抱えながら金沢動物園へ(14ヶ月ぶり3回目)。


動物園への入口を脇に抜けるように「ののはな館」へ。企画展が行われるコーナーなのだが、入口がわからないまま、帰宅後に企画展を見逃したことに気づくことを繰り返していた。ので、場所だけでも把握しておこう、忘れないうちに、という意図だ。

動物園を含む、「金沢自然公園」の全体模型。「動物区」は公園の左側。2/5ほどの広さ。残りの右側は巨大な滑り台とか水景とかがある、巨大な「植物区」だ。植物区とは言っても「植物園」ではなく、野鳥や虫などを含む「自然を楽しむ」場所というあたりの管理がなされているエリア。

おっ、「くるくるコイン」がある。くるくるコインは、募金する、というアクションを楽しませてくれる工夫のある募金箱だ。千代田区にある科学技術館の方の発明だったと記憶している。意識を保たないと、財布の中の硬貨がどんどん飲み込まれていく危険な装置だ。

なんとなく、既にして本日の目的を達成した感が出てきたところで、本命の動物園に向かう。


横浜市立金沢動物園は「公益財団法人 横浜市緑の協会」が指定管理者として管理する、横浜市立の動物園である。
横浜市立の動物園が現在3園あって、「駅チカで立ち寄りやすいコンパクトな『野毛山動物園』」「他種多様な展示と生物種を誇る『ズーラシア』」が他にある。じゃあ、この「金沢動物園」はどうなの?と聞かれると若干売りを説明しづらい。

繁殖賞メダルが並ぶ。金沢動物園は割と繁殖力強めの動物園。あなたの街の動物園にも金沢由来の動物がはびこっているかもしれない。でも、単純にメダルの数では上野、ズーラシアあたりが上をいってそう。

広場にある噴水は、園内の展示種でもあるヤマアカガエルの、野生での繁殖地でもある。 以前に行った際には、掃除だけするくらいの管理状況だったはず。だが、毎年産卵に来るカエルのための再整備が計画されたのだ。(2022年・写真右)

金沢動物園には、檻や堀での隔離を、あえて行っていない危険生物もいる。野生生物との距離感は肌で学ぼう。

キリン。与えられたエサを食べた後、それで満足できなかったらしく、堀内の木の葉に下を伸ばしているところ。アゴの下側や喉が見えている。
金沢動物園には金属の檻(ケージ)の類がなく、動物と人間を隔てるのは堀(モート)、あるいはガラスだ。互いに邪魔にならない距離を保ちつつも、なんとなく空気を共有している風でもある。
当日は雨で各種イベントも中止、他の観客も少なく。動物たちも、雨天の中で昼寝もできない、かといってテンションも上げて何かしようという気分にもならずといった感じだ。

アオバネワライカワセミ。割とこいつらを見るために、この園に来ている節がある。動物園に来る時はだいたい哺乳類が念頭にあるのに、いざ来てみて気に入るのはハシビロコウさんやヘビクイワシといった恐竜の子孫たち…。

カンガルーの庭。中に人間用の小径があって、カンガルーたちに監視されながら通り抜けることになるのだが、雨天のため本日は中止。ほっと一息。

12.8haという動物園として恥ずかしくない広さの敷地にあって、展示種は50種ほどらしい。(例えば八木山動物園は130種くらい)
動物と動物の距離が離れていて、人間も展示動物もいない静かな植物の世界に鳥のさえずり(場所によっては高速道路を走る車の走行音)が響く。
園内の竹林などは、草食動物の餌の供給源でもあり、園内全体がむしろ巨大なバックヤードの一部として機能している。
坂道が多くて、歩くのは大変。人出の多い晴れた日には子どもが泣き出すくらいだ。

秘かな人気スポット、しいの木山展望台。晴れていれば八景島シーパラダイスが見えたんだがなぁ。

身近ないきもの館。前述の噴水にいるのとは別に飼育しているのだろうけど、ヤマアカガエルもいた。

ヒアリ。ブームが過ぎ去り、定番の生きものとして、日常の中に溶け込んでしまったのか。withヒアリか。

カピバラ。雨天の中の水浴は辛くないのか……と思っていたら、湯気が出ていた。露天風呂だった。

ほのぼの広場。ヤギとポニーが黙々と食事中。ヒツジは雨天のため室内におり観覧不可。 右側のヤギはモチさん。小さい子にイタズラするので、警戒標識まで作られた困り者だったはず(右写真・2019年)だが、問題行動が改められたのか標識は撤去されている。

頭を抱えるシロテナガザル。天気痛仲間だ。

インドサイ。カメラを向けたら近寄ってきた。
動画の画角から外れた後は、一瞬だけ水浴びし、地面を転がり、身体を草にこすりつけるといった行動を一通り取ってくれた。そんなキャラだったかなぁ。よほどヒマだったのだろう。

寄り添う2頭のインドゾウ。手前の擬岩はゾウが近寄ったら放水する仕掛け。クラウドファンディング?とかの成果らしい。
現代の動物園では動物の待遇を改善するための施策を積極的に採っているが、この金沢動物園も例外ではなく、その試行錯誤が時折公式ブログに綴られている。例えば、このゾウ舎に関して言えば、床材のメインは現在ウッドチップのようだが、抽出済コーヒーの滓とか、他の材料も試しているようだ。

写真は2022年、開園40周年を祝うコーナーに掲示されていたもの。
住処を終われた野生生物が次々とレッドリスト入りし、希少生物として入手と飼育が困難となっていく中、新たな動物園像を求めて早々にコースチェンジしようとしているのがこの金沢動物園だ。
(市内に野毛山とズーラシアがあるから可能な前のめりという面もあると思うが)

オオツノヒツジ。人間をはるかな高みから見下ろすこの姿が、この動物園のシンボル。

雨で客入りが少ないのに気を良くして、動物園を二周した後、金沢自然公園の未踏査地域、「植物区」へ。動物園には少ない水場に行ってみる。

みずの谷。スイレンが咲く季節だった。
雨がドシャドシャ降ってきたので退散したが、こっちには晴れた日に来たかったな。

 「よこはまの動物園案内帳」改訂版と、その前のもの。
比べてみたが、動物の入れ替えの反映の他に、写真の差し替え等がいくつかあった。
変わっていないところの方が多い位なので、もとの版を持っている人は、わざわざ……応援する気持ちで買おう。
公園内のおみやげ店「ののはなショップ」では、横浜市内の名産品の類も取り扱っており、中でもドリップコーヒーがほしかったけど、そっちは次回に。

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