2021年1月3日日曜日

実家に帰らせていただきます

母がまだ世田谷に住んでいた幼少の頃、近くを流れていた蛇崩川(じゃくずれがわ)の源流を歩いて探しに行ったという話を聞きつけた。途中で断念したらしいが。

蛇崩川!そんな厨二病っぽい地名が実在するのか!

その時私の脳裏に浮かんだイメージ(Google検索)
しかし、世間一般的に「蛇崩」と言えばこちら

母方の祖母の生家の近くなのだから知っていても良さそうなものだが、自分自身の幼少の頃、「東京」と言えばプラネタリウムがある渋谷であり、水族館がある池袋であり、科学館がある上野。田舎に住んでいる子供が東京の川などに興味を持つはずもなく。

かくして「(今は宮城に住んでいる)母親の代わりに、その実家に帰省」の開始。新型コロナがなかった昔の日本へタイムトラベルだ。


東急田園都市線・用賀駅。一度だけ利用したことがある。合宿の解散の場として。忘れていても良さそうなものだが、駅の建物が特徴的な形だったので記憶にあった。

近隣には、先日訪れた等々力渓谷を流れる谷沢川の上流がある。ちょっと歩くことになるが見に行くべきか。

迷っている間に見つけてしまった。首都高3号の下を、蓋をされずにそのまま流れているのだ。一方、用賀駅からさらに上流のほうには蓋がされている。

川の源流は馬事公苑の南東の端から弦巻5丁目あたりだったらしい。馬事公苑ってなんだ?有名な場所らしく歩道にまで馬をあしらった方向表示がある。

左の壁(北)が馬事公苑。オリンピックに向けて工事中。正面の信号を超えて奥の方(東)に流れていたらしい。信号のある交差点、南北方向は昔、品川用水が流れていたらしい。写真に撮ってみたらやたら遠くに映ってしまい、とても分かりにくいが。


弦巻○丁目の道路をまっすぐ。歩道が広いというよりはむしろ車を歓迎していない感じ。


進んだ先の大山道児童公園には、大山道を行く人のイメージ像。そして別の傍らには「蛇崩川 洗い場跡」の碑。わざわざ探しに来ないと、目にもとまらないだろうなぁ。当時の人にとっても、自分が洗い物をする場所に碑が立つとか、意味不明だろうし。


さらに歩くと、「プロムナードせせらぎ」として整備された遊歩道となる。


場所としては、世田谷区教育会館の裏手に当たる。会館はプラネタリウムを擁するわりと大規模なもの。傍らには水遊び用の人工池がある。


プロムナードの枠を形作るオブジェは、配水管を模したものばかり。蛇崩川が現在、この地下を流れる下水道となっていることに由来する(下水を流しているわけではない)。


しばし歩くとプロムナードは弦巻通りに合流して「やけに広い歩道」となる。


近隣には「駒沢給水所配水塔」という、お水大好きっ子の聖地もあるのだが、坂を登るのが嫌だったのでスルーする。
蛇崩川に限らず、(日本の法律より厳しく適用されている大自然の法則により)河川は周りより低い場所を流れる。そこから外れて寄り道することは坂道を登ることに繋がる。回避するに限る。
源流から下流に行程を定めているのも同様で、流れに逆らって遡行するのを嫌った結果だ。


弦巻通りをしばらく歩くと、その名も「蛇崩川緑道」として整備された区間に入る。そのほぼ西端に位置する小泉公園には「親水施設・せせらぎ」が。(絶賛渇水中)


緑道を歩くと、他の道路と交わるところで、当時かかっていた橋の名前が。


緑道区間。世田谷区内だけでこの数。多い…。


途中で、母の実家のあった辺りに寄り道。祖父母は他界。借家だった建物も残っておらず、今住んでいるのは全く見知らぬ他人。なので、「ああ、このあたりだ」と確認して終了。


目黒区内に入る。頑張って緑道の設備更新を進めている世田谷区に比べて、大分力が抜けた感じ。まぁ、このくらいで十分という気がしないでもない。


児童公園(地下に貯水)があり、橋の名前が残っているのは世田谷区と同じ。


長々と緑道(下水道の上)を歩いてきた。やっとこさ、蛇崩川が目黒川と合流するところに到達。今回の外出の目標地点だ。着いた、着いたよ~。
長い戦いであった。特に後半、(寺社と初詣客を避けたために)スポットらしいスポットもなかったし……。


東急の中目黒駅至近にある「合流点遊び場」。


蓋が閉じた排水口っぽいもの。雨が降ったら、ここから遊び場に水が流れてくるのだろうか。


監視カメラが目黒川の水量を見張っている。


電撃殺虫機。灯りに寄ってきた虫を高圧電流で殺す……みたいだが、肝心の部分を撮影し損ねている。


合流地点を反対側から。最近、都内は雨降ってないけど、大雨降ったらこの光景も一変するのだろう。


蛇崩川を取り上げていた雑誌。暗渠ファン的には蛇崩川の見どころは、緑道として整備されている本流より、そこから四方八方へ伸びた支流らしい。
行程が長くなるのと、(ブログに出さないにせよ)他人の家の写真を撮りまくることになりそうなので、今回は見送った。

2 件のコメント:

  1. ダンナハメ2021年1月3日 18:20

     写真にある「中原橋」の近所に実家…さっき行ってきたばかり…があるので知っている風景ばかりです(笑)。

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  2. お久しぶりです&あけましておめでとうございます>ダンナハメさん
     
    ご近所だったようですね。母が子供だった頃はまだ蓋がされておらず、実際に川の流れがあったようです。実家があった場所の近辺も何枚か撮ったのですが、私自身の記憶にもないような現代&高層建築が増えていて、「もう当時の面影無いね~」という結論になってしまいました。

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