『薬屋のひとりごと』。宮廷内の陰謀話多くて、「ひとりごと」より「謀(はかりごと)」になってるな。
Twitter(X)で見つけた、計量に関する企画展のお知らせ。開催しているのは前に訪れた千葉県立現代産業科学館だった。
関宿にも行きたいし、どっちを先にしようかなと迷いつつ、「まぁ、まだ行ったことのない方を優先で」と関宿城博物館に行ってみたら、「コラボ企画してるから両方行け。チーバくんグッズやるよ」ということだった。もともと両方行くつもりではあったが、開催期間中に他の用事を差し込まれる可能性がないでもないので、速やかに実行する。
千葉県立中央博物館、それにこれら2館。それぞれ面白いんだけど、うっかり統合されちゃうと(特に常設展示が)ボンヤリしたものになりかねないので、頑張って3館それぞれの特色と存在感を維持してほしいもの。
さて、企画展「はかる」。
最初に視界を埋めてくるこの大きなパネルは、意外にも生き物のサイズ。確かに、水族館や動物園のYoutubeでも、生体の健診や体重測定は定番の1つになっていて、各館独自の工夫がみどころになっている。
重りを組み合わせて、ピッタリ150mgに合わせるミニゲーム。たぶん他の組み合わせでもいけるようになっていると思う。
豚の体重を測るための専用の装置「デジトンスケール
DGM」。純粋に「正しく測る」だけでなく、豚の動線や、取り回す人間の都合まで考えられたものだ。こういうのがいい。
セイコーの時計とストップウォッチ。ストップウォッチには「スタート位置をぴったりゼロに合わせる」「針を目盛りの位置で止める」ことを実現するための「ハートカム機構」が組み込まれている。「たぶん何秒」みたいな曖昧さを嫌う、競技の現場の要求に即したものだ。
文系なので、科学館という場所にあっても、ついつい「作者の気持ち」とか「法制度上の建て付け」に気が向きがち。
タニタ、あのタニタのヘルスメーターの初号機。
「昭和20年代の日本では『体重は銭湯ではかる』という考えが一般的でした」のくだり。「なんで銭湯に体重計があるんだろう」と疑問に思ってたが、むしろ銭湯にあったものがご家庭に持ち込まれていたのね。
併せて展示されていた最新の体組成計では、部位別に体組成を計測できるそうで、一体どんな人がそんな気持ちになるんだろう。(なかやまきんに君を脳裏に浮かべながら)
JAMSTEC謹製、熱水噴出口ジオラマ。…のオマケに見えかねない、左の画像が実際の展示物。深海潜水艇のカメラで捉えた画像から、AIで生き物の数を種類別に数えようというものだ。展示ではエビとカニの識別くらいだったが、実際のところどのくらいいければ実用になるのだろう。
ドール社の始めた、バナナの計り売り用の計量機。
こういう取引に使う計量機は出荷前に受ける検定だけでなく、各県の計量検定所による定期的な(立ち入り)点検を受けることが必要…的なパネルが別の場所にあった。こういうの、自分で商売している人には常識なんだろうけど、会社勤めでそういう部署でもないとなかなか知る機会がない。
日本大学の研究室に作ってもらった「歪み」の計測実験用の装置。光源と偏光フィルムとの間に透明な試料(ガチャのケースとか、ヨーグルト用のプラスプーンとか)を突っ込むと、その歪みが虹色の縞になって見えるというもの。
あちこちから、いろいろなものを借りて開催される企画展。
館内の他の場所に臨時の展示場所みたいなものができていた。(もしかして毎回こうなのか…)
この現代産業科学館の企画展、やりたいことが企画展示室からあふれ出してくる感じでとても楽しい。
企画展示室を出て、常設展示を回ったら、定例の科学実験イベントが始まる時間だった。スタッフが数取り器で参加者の数を数えていた。皆が、色々な動機から色々なものを測っている。
オマケ
常設展示にある、鋼鉄のバラ。着色していないのに、酸化膜の厚みの違いで、カラフルに見えるというもの。
ワークショップのコーナーには企画展「ネジるツナガる」の名残り。
そして館外。ショッピングモール「ニッケコルトンプラザ」の一角にある「おりひめ神社」。その敷地が日本毛織(ニッケ)…と合併した共立モスリン…の工場だった昔から引き継いだものだとか。