大田区にも「三和鋲螺」というネジの専門店があるが、さすがに観賞用に最低100本からのネジを買おうという感じにもならず、未だ訪問に至っていない……。
そこに降ってわいたネジの企画展。『ヘボット!』のファンとして飛びつかない手はない。
“これが螺旋の力かよ。たいしたもんじゃねぇか。”
このネジ、単に電子ガジェットとして面白いというだけのものではない。ネジ山に工夫があって、左巻き、右巻き両方のナットが使えるのだ!……と書くと、何やら微妙な感じのありがたさだが、反対方向のナット2個を組み合わせて締めることにより、ネジが勝手に緩むことがなくなる、というところがポイント。
企画展スペースの中は、火縄銃以外にもあった日本のネジ状のもの(固定のための部品ではなく、動力を伝える用)などの歴史展示。
ネジの規格や分類あれこれ。あるいは、製作工程などを映した動画……。
はたまた、子ども(大人も)がネジを使って遊ぶ体験コーナーなど。
そして、「これどうよ」って、メーカーの鼻息が聞こえてくる感じの製品の数々。
ネジの進化とか、ネジ山の作り方の工夫で実現しているものが多いのだけど、細かすぎて老眼にはつらい。
他にも色々展示物があったけど、一番のハイテク製品?は写真撮影不可。
人工衛星打上げ用ロケットの部品で、まさに人工衛星を宇宙に打ち出すその瞬間。500本のネジが1/1,000秒の誤差で一斉に破断するという。「必要になるまで壊れてはいけない」「必要になったら必ず、同じタイミングで壊れる」という二律背反の要求に応えることで、初めて用をなすものだ。
数百本のものを同時にっていうところで、変な笑いが口から漏れる。
ここの展示物にはなかったけど、引越しで購入した、組み立て家具のネジも以前とは全く違うものになってたしなぁ。また10年くらい経ったら、今回とも違うネジにお世話になるんだろうなぁ。
この企画展で、わりとお腹いっぱいなのだが、常設展示も見る。
二階の展示室は、先の3つを、右手側を工業の黎明期からの歴史、左側を現代の状況の二列に配置する形でまとめられている。
製鋼や石油化学はかの『Dr.STONE』でも、わりとシンプルにまとめられてしまった(写真日記とか)ので、そこを中心に見せてくれる展示はうれしい。
で、『Dr.STONE』を読み直すと、この博物館の展示物と同じものが描かれていたりするので、連載終了&単行本完結でロスに陥っている人は見に行ってみると良いと思う。
自宅から距離あるから、何度もっていうわけにはいかないけど、常設展も充実しているし、面白そうな企画があれば、また行きたい。
なかなか面白そうなところだね、行ってみたかったなぁ。
返信削除インプラントの展示はなかった?
インプラントはなかったですが、脳外科用のマイクロフィックスというのが紹介されてました。頭蓋骨をネジとプレートで固定するみたいな。
削除展示を規格化して、相互に貸し借りできるようになる仕掛けがあれば良いと思います。国立科学博物館あたりで音頭取らないかなぁ。