2025年6月16日月曜日

仙川 (1)

東京の川は、公共交通機関で上流端に行けるのがいいね。

上流端とは言っても、「河川としての管理が始まるところ」という話で、さらに上流をたどると近隣の小中学校の敷地に入るらしい。

仙川は多摩川の支流の野川の、そのまた支流だ。この上流端は東京都小金市にある。ちょっと北に5分ほど歩けば玉川上水の流れにあたり、さらに北東に3,40分歩けば江戸東京たてもの園の北縁にある石神井川の上流端がある。複数の川や水路が並行して東に流れていく、そんな場所。


上流端と言っても、基本的に水がない。両岸も私有地(大半が一般の住宅)になっていて、川岸を歩ける場所はあまりない。

築樋の存在を示す案内板があるが、全体が植物に覆われ、なんとなくボンヤリしている。

そのすぐ近くには、山王稲穂神社がある。赤坂の日枝神社の系列らしい。

石神井川の時もそうだったけど、住宅地に囲まれた川は歩きにくい。たまに橋が架かっているところで川の様子を見ては、次の橋へ……というのを繰り返す。
川の流路は直線が多い。戦後の住宅開発でこうなったのかと思っていたが、その後で古い地図を見たら、水田の間をやっぱり直線の仙川が流れていた。
仙川は水田からの排水路(悪水)として使われていたらしい。その水田をそのまま宅地化したので、こういう川歩きしにくい場所になったようだ。

川が見えないことに若干のストレスを感じながら歩いた道路に、なにやら赤いものが。
写真撮って、Geminiに尋ねてみたら「おそらくベニカミキリ」との回答。iPhoneの写真アプリにもAIの識別機能ついているけど、対応している生物種に限りがあるので、Geminiに頼ることが多い。

川沿いを歩けないのはストレスであるけど、それより困るのは川の位置を見失いがちなこと。で、地図アプリをつけっぱなしにすると、電池容量がガンガン減る。 なので、いかにも「下に水路がありますよ」みたいな路面を探すことになる。
今回は当たりだったようだ。

川沿いにある公園、緑地に「もしかしたら、ここから川が見れるのでは」と期待をかける。が、なかなかうまくいかない。

まとまった緑地があった。「浴恩館公園」。「浴恩館」という古い建物が小金井市の文化財センターとして保存されている。郷土博物館っぽく、古い地図あり、農具あり。

浴恩館って、不思議な名前だなと思った。昭和天皇ゆかりの建物を譲り受けて移設したのが由来らしい。恩を浴びるという言い回しに、元気をもらった、のそれと似たものを感じる。

水位監視用の設備がある。いざ雨が降ると様相が一変するのだろう。晴天の今日は水位ゼロだけど。

雰囲気があるところに出てきた。
ありがたいことであり、同時に残念なことでもあるが、こういうきれいに整備された場所は私有地の中に設けられた公共緑地や公園など限定された場所だけだ。

だから、公園を出るとまた元通り。

そして、また公園。「水源の森 あけぼの ふれあい公園」は雨水を貯留する施設を地下に持ち、他方、水面に近いテラス状の遊び場を持つ、親水公園っぽい場所だ。まったく水がないので、微妙な感じになっているが。

上連雀中央児童遊園の北に、川のゴミを集める設備があった。ここから先は、また地下を流れていくようだ。

私有地の間を北へ東へ南へと蛇行を繰り返し、人見街道(都道110号)の野川宿橋付近で、幅広の自然河川っぽい流れに変わる。

今回は、ここまで。