散歩代わり、あるいは買い物帰りに立ち寄れるような場所にあるのならともかく、郊外にある博物館に足を向けるにはそれなりのエネルギーがいる。私の場合、そのエネルギーのきっかけは魅力的な特別展、企画展だ。しかも、中身ではなく、ポスターやニュースに載るような情報で心をつかまなければならない。
神奈川県立 生命の星・地球博物館の企画展「すな」だ。「ふしぎをみつけよう」とある。不思議があるのだ。ありふれたものでありつつ、なんとなく捉えどころのない砂に、どのように斬り込むのだろうか。
企画展の場内は、ほぼ子供たちが砂で遊ぶスペースである。といっても、砂場作って終わりなんてものであるはずもなく。砂の一生をシミュレーションするマルチエンディングなすごろくを中心に、砂にまつわる様々な物理現象を手軽に実験できる装置が並べられている。
その中の1つ、液状化現象発生装置。ペットボトルを指で軽く叩いていくうちに“地中”に埋めていたものが浮かび上がってくるものだ。この装置があれば湾岸地域のタワマンもイチコロだ。とても面白危険すぎる装置なので博物館は厳重に管理してほしい。
子供たちが遊んでいるのを大人たちは見守り続ける……だけではなくて、漢字が読める人用の展示もある。
砂の材料いろいろ。岩石だけでなく、貝殻や、ガラスのような人工物でも大きさが当てはまれば全部砂。これはちょっと意外だった。
砂の材料いろいろ。岩石だけでなく、貝殻や、ガラスのような人工物でも大きさが当てはまれば全部砂。これはちょっと意外だった。
なにより子供が楽しめそうなのが得点高め。ただ、もっと情報欲しかった自分の好みからはちょっと外れ。それと、企画展と連動した商品がミュージアムショップにも欲しかった。
常設展も見るよ。
ストロマトライト石灰岩で作られた巨大なモニュメント。かつてシアノバクテリアが行った、地球史上最大の民族浄化政策を記念した負の文化遺産である。その毒ガス作戦により、当時の地球生命の9割が死に追いやられたと言われている。
最近、気になっているコケと地衣類。ウメノキゴケは空気の汚れた都市部では見られないみたいな話も聞くが、最近注目し始めた私にとっては近所で目に入りやすいものの1つだ。
コケは販売されている育てやすいはずの種と、雑草としてよく見かける種が違うのが面白い。
コケは販売されている育てやすいはずの種と、雑草としてよく見かける種が違うのが面白い。
博物館を抜け、入生田駅の向こう側も散策してみる。
荻窪用水という文言に釣られて見に行ってみたが、ほとんどトンネルの中で、水が流れるところを見れたのはこのくらい。ちょっとがっかりしたポイントだけど、他の場所含めた散策コースが用意されているほどの規模あったみたい。再挑戦したい。