2020年9月6日日曜日

日本科学未来館

 

前回、いつ行ったのか思い出せないくらい久しぶりだ。読み返してみたら、このブログをBloggerに移した以降には全く記事にしていない。最後に行ったの、震災以前か。


あまり変わった印象を受けないが、ニュースとしては聞いている。震災でガラスが割れて、危険性が発覚したため、耐震性と安全性を確保するための工事が行われたはずなのだ。

館の目玉展示の1つであるジオ・コスモス。ゆっくりした自転と、生まれては消えていく雲の様子。この動画の撮影直後、特別プログラムが始まり、人の心の温かさを示すぼんやり赤い色の地球になった。海水温とか二酸化炭素とかが人情味の指標らしいが。

「計算機と自然、計算機の自然」コーナーの、浮世絵初音ミク。人工物と自然物、現実とバーチャルの境界の曖昧さ、虚構性を物語る展示の数々。

インターネット物理モデル。ネットを流れる情報のルーティングのシミュレーション。開館と同時くらいからある古い展示のはずだが、ドームシアターと並んで人気が高く、今まで一度も参加できなかったのだ。Web予約制で入場数絞ってる今こそがチャンス。この時期に来て良かった……と思ったら、たまたま私が入ったタイミングが良かっただけだった。感激をかみしめた後、また来てみたらやはり列が出来ていた。

霧箱。宇宙からの放射線に反応して、白い霧の線が現われる。……のだけど、周りが明るくて、ちょっと見づらい。霧箱目当てなら国立科学博物館のほうが見やすいかな。

人類を脅かす、さまざまな災害をモデル化した「100億人でサバイバル」。転がるボールを使ったピタゴラ装置は、とてもウケが良いらしく、先のインターネット物理モデルを筆頭に、館内のあちこちで使われている。地震雷火事親父、各種揃っているが、昨今のトレンドはスーパー台風と感染症。写真では右手奥側に配置されている。盛んに活動して人間の数を減らしていた。「頑張るなぁ」と感心してしまうほどだ。

火山の内部を裏側から覗く。作り込みに感心するが、一向に噴火する気配がなかった。どの災害が発生するかは、割と運が絡むらしい。リアルだ。

こちらは同コーナーにある、本物の地震の発生を示すライブ映像。わざわざ専用の機器を開発しないと分からないほど微弱な地震が、百カ所、二百カ所で発生し、今この瞬間も日本のどこかを揺らしている様子が、点として表示されている。多少大きめの地震になると色がついた線となって、揺れの方向も見て取れるようになるらしい。
(災害時に、避難の妨げにならないことを祈る)

この展示のスペース、以前来たときは「しんかい6500」の実物大レプリカがあったところと記憶している。あれはどこに行ってしまったのか。
展示スペースが足りなくなったのか、スモールライトを浴びて小さくなっていた。

ついに細胞レベルにまで手が届くようになった、医療技術のコーナー。映像ルームは5つあり、それぞれ違う映像が上映されるが、どの映像を見ることになるかは自分では選べない。事故や病気は自分では選べないからなのだそうだ。

新型コロナに対応できなかったために休止中のコーナー。スローガンとして掲げられている「リスク≠0」の正直さ、率直さ、誠意を象徴するかのような潔さだ。

規模は縮小しながらも、館内レストランの営業は続いているし、いつの間にか移転していたショップも規模と品揃えは以前訪れたときより充実していた。

展示一つ一つが大粒で、時間と気力を要するのが他の科学館との大きな違いか。コーナー1つ見るのに10~20分かかるし。展示物の多くが来館者自身の関与を必要として、チラ見もしにくい。館の側は知識を提示するよりも、好奇心のフックと問いかけの妥当性を求められる感じ。企画・演出する人、大変だろうなぁ。


ついでに周辺散策と聖地巡礼(『BEATLESS』)。
ファビオンMGが人間とロボットの新しい関係を打ちだした「Boy Meets Girl」キャンペーン(2105年)。人気hIEモデル「レイシア」を使ったコンセプト映像撮影で利用された旧産業技術総合研究所の臨海副都心センターに行ってみる。もともとハザード(2063年)の被害で、立ち入りに許可がいる場所だったが、撮影中に起こった2体のhIEの戦闘でさらに滅茶苦茶になってしまった。写真は21世紀前半に撮影されたもの。ハザード以前はこんな美しい建造物だったのだ。

戦闘を行った2体のhIE、レイシアとメトーデの声は21世紀前半に活躍した声優、東山奈央と雨宮天から取得されたものらしい。上の写真が撮影された2020年夏、まさにこの2人は2Dアニメ作品「レンタル彼女」で、やはり争う2人の女性を演じていたと記録されている。超高度AIヒギンズやミームフレーム社が、あの娘たち--第2次ハザードをひき起こした「レイシア級」hIEシリーズ--の声データを、どういう基準で選んでいたのか。ヒギンズが停止され、超高度AIの封印体制への批判が世界的に高まっている昨今においても、その選出に関わる経緯は開示されないままだ。

日本初の超高度AIありあけの所在地は、ハザードの被害著しく、今でも立ち入り禁止のままだ。写真は21世紀前半、新交通ゆりかもめの青梅駅(もちろん現在は廃墟同然)付近で撮影されたもの。AI施設が建設されたのは21世紀中盤。それ以前の、この写真に写っている施設は有名なコンベンション・センターで、多くの人間が集まる場所だったらしい。人を寄せ付けない、超高度AI施設になるまでの20年間に何事があったのだろう。

2 件のコメント:

  1. ここも行ってみたかったトコロです。

    裏山

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  2. 近くに船の科学館もあったのですが、後回しにしているうちに閉館してしまいました。
    八木山動物園とか、仙台市科学館とか、最近どうですか。私は子供の頃行ったきりなので久々に行ってみたいです。
    (でも、東京モンに一番ウケるのは、蔵王キツネ村……)

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