2022年11月13日日曜日

千葉県へ

「日帰りで遊びに行ける限界の時間距離」と自分で定めた限界の遠さだったので、先延ばしにしていた千葉県つくば市。意を決して行ってみた。


地図と測量の科学館

私はどこから来て、どこへ行くのだろう(迷子)

意を決してつくばエクスプレスに乗ったものの、研究学園駅手前で「財布を忘れた!」ことに気づく。えぇぇ、ここから引き返すのはつらいなぁ。行き先の科学館は入場無料だ。強行しよう。

私はどこから来て、どこへ行くのだろう(一文無し)


地図と測量の科学館。ここだ。

科学館ができる前、国土地理院の見学に行った親が「面白かった」と言ってたのが昭和時代だったから、40年越しくらいの参拝である。とうとうここまで来た。無一文だけど。


赤青の立体メガネで山々が飛び出す立体マップ……ごしに地下に埋め込まれた地球儀を望む。


そして、東日本大震災の爪痕がここにも……抽象的な再現だが。地球は動いているんだなぁ(地動説)。

来館者が自分の居住地をシールで示していくマップ(関東版)。他に、全国版とつくば市内版がある。ウチの近所に、ここまで来る者おらんかったわー。

屋外に再現された日本列島。あまりにもキャッチーで、シンボル的な展示なので、記念撮影する人のための日付表示まである。
さらにその外側には、「地球の直径を基準にして、角度1秒」分の距離を示す道標があり、地球の外周の1,296,000分の1を歩いてみることができる。

測量の歴史、ほぼ数学の歴史とイコール。

測量の三角点と水準点。日本各地に埋められた石柱、その中身。最新のレーザー測量だ、電子基準点だ、みたいなのが出てくる前から、こんな針の先の点を管理してたのね。

古地図のコーナー。東北地方が無茶苦茶小さい。白石に片倉小十郎、ということは江戸時代の初期か。福島-二本松-白河があって、郡山がない。まだ開発が進んでなかったということか。

「今日から伊能忠敬になれるセット」。楽しかっただろうなぁ。資材にも資金にも相当苦労したみたいだけど。

地図記号のコーナー。「老人ホーム」「風車」の図案って一般公募だったのね。
追加される記号の他、省略される記号もあって、世の関心に合わせて地図も変わっていくようすが見える。
それまで省略されていた「畑」が記号化されるみたいな変化もある。農地の減少により、ありふれたものがランドマークになったのだろうか。

館内の売店・自販機は電子マネーに対応している。ホッと一息。
売店は施設のミュージアムショップというより、「日本地図センター」の支店らしい。

ここで測量野帳売ったら面白いだろう……というより、国土地理院銘入りのがあるはず、くらいの思いでいたが、残念ながらラインナップには入っていなかった。他の商品が十分以上に面白いけど。

学生時代は歴史も地理もぜんぜん興味が無かったけど、ご近所ネタを掘り起こすのが楽しいので、最近はそういう施設でそういうグッズを探すのが習慣になっているなぁ。


国立科学博物館・筑波実験植物園


歩いて30分くらいの距離にあったので、歩く(直通のバス路線がない)。昼ご飯食べなければ一回りくらいできそうだという安直な見積もりをもとに。

最近、国立科学博物館(『かはく』)の上野本館とか白金台の自然教育園には何度か行っているが、ここだけ未踏の地だったのだ。


ここは有料の施設である。だが、ここに限っては無一文でも入場できる。かはくのリピーターズパスを持ち歩いているからである。(もっぱら、自然教育園用)

実験植物園と自然教育園というラベルの違いは入ってみればわかる。「放置」をそもそもの存在意義として持っている自然教育園に対し、実験植物園の中は外から持ち込まれた植物に満ち、道はアスファルトで舗装され、むしろ公園のように整備されているのだ。

植物の名前とか、ほとんど記憶ないが、ここで自分の無知を恥じることはない。そもそも人間が記憶できる情報量ではないからだ。絶滅危惧種どころか、中には野生絶滅した種までカジュアルに植えられていて、ギョッとさせられる。

なんでもありの場所ではない。ダイエット中の植物への差し入れは禁止。
とはいえ、自然教育園と違い「ここから先に行くと帰って来れなくなります」「人間の世界、ここまで」的なヤバさはない。

自然教育園の「おろちの松」ほどの大木ではないが、こっちにもあった。腐朽経過観察中の樹木。

昆虫採集禁止の園内で見かけたペットボトル罠。害虫駆除のためにスタッフが仕掛けたものだろうか。

建物の外観を撮影していないが、敷地内には「自然史標本棟」があって、1階に見学スペースがある。柱に見覚えのあるパネルが貼られていた。『へんなものみっけ』の扉絵だったような気がする。過去のコラボ企画の痕跡だろうか。

かはくで展示されている標本の数は10,000点。しかし、バックヤードに保管されている標本数は440万点を超える(と書いてあった)。
しかし、かはくの標本収集にかける情熱は留まることがない。新しい収蔵庫が既に建設中だ。全国各地の博物館が保管スペースと人件費にあえいでいる中、贅沢だなぁと思わないでもないが、しかし、この収蔵庫の保管資料は、それら博物館への貸し出しに備えて保管されるものでもある。

水性植物温室の中にある水槽。魚が泳いでいるが、あくまで植物が主役。


しかし、詰め込んだなぁ。


1mmに満たない、超小型のサトイモ、ミジンコウキクサ。

そして世界最大の花を咲かせるサトイモ。ショクダイオオコンニャクの花(実寸大模型)と本物。模型は上野本館の特別展「植物」で展示されていたものだ。

これも見覚えがある。ここ実験植物園で掘り起こされて、特別展「植物」で展示されたものが、里帰りしたのだ。

多目的温室。温室なのに多目的ってなんだ?と思ったら、様々な植物とともにベンチやテーブルなどの家具が並んでいて休憩できるスペースになっていた。(飲食は不可のはず)
きっと、ここで行われるイベントもあるのだろう。

えっ、こちらのかた、生きてらっしゃるんですか?(サルオガセモドキ)

熱帯雨林温室。建物の大きさと、所々にあるインテリアに、かつて渋谷区にあった「ふれあい植物センター」を思い出す。良い場所だったんだがなあ。

実験植物園の中にあった、飲料の自販機は交通系電子マネー対応。ただし、ミュージアムショップは現金決済のみ。残念!ただ、商品は自然教育園のものとあまり変わらないラインナップだった。

地図と測量の科学館になかった、測量野帳はこちらで売っていた。「かはくフィールドノート」と呼ばれるオレンジの測量野帳(SKETCH)だ。


TXつくば駅に行ったら、駅の構内に茨城県のおみやげショップがあった。千葉県で茨城県のおみやげを売るのか、これは珍しい、と覗いてみた。

つくば市が千葉県ではなく、茨城県だと知るのは帰りの電車に乗る直前、Googleマップで経路検索をしたときだった。意外に近かったな、茨城県。

2 件のコメント:

  1. TXは家内の実家路線だ~

    筑波行ってみたかったから誘ってよ~

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    1. 奇遇ですね。私の兄弟も沿線に近いところに住んでます。筑波は産総研他のスポットもあるから、いずれ再訪しますよ。

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