2025年4月14日月曜日

妙正寺川 (1)

善福寺川のちょっと後から神田川に合流する妙正寺川。こっちにも行っておこう。

荻窪駅から北上して水源に行く前にちょっと寄り道。


天沼弁天池公園。
「弁天池」と名前についてるとこには、水場が保存されていたり、再現されていたりするんじゃないかという期待がある。

そして、杉並区立郷土博物館の分館。企画展が開催されていた。

「打つ」という単語をキーワードに、古代から現代に至るまでの、様々な道具を並べた企画だ。「打つ」という言葉が内包するものが大きいので、展示物の幅も大きかった。

天沼弁天池公園から北上して、妙正寺池を擁する杉並区立妙正寺公園に向かう。住宅街だが、保護樹林や保護樹木が多い。杉並区の家は木から生えている。

杉並区立妙正寺公園。目の前の池が川の水源、妙正寺池だ。時期なので、花見客でいっぱい。

AIがカイツブリと判定した謎の鳥。判定正しければ、初遭遇だ。動物園では見てきたはずだが。

妙正寺池に源を発する妙正寺川。ここから。

川沿いが遊歩道になっていて歩きやすい。あと、味のあるオブジェクトも多い。

桜並木は視界を占有してしまうので、良し悪しだと思っている。特に自分自身が花見客でない時には。
この辺は各家庭の庭に1本ずつある感じで、視界を奪われることも、視界からサクラが消えることもない。

東京の川沿いは人が集まる場所でもあるので、地域の方々向けの掲示板を見かけることも多い。もうちょっと人間に興味がある者なら掲示物から土地の人々の人間性を感じて楽しんだことだろう。
目に入ったのはファミコンのゲームを楽しもうというイベント。高齢者向けというのがいい。

ぼんやり鳥を追い掛けながら歩いているうちに、鷺ノ宮駅まで来た。駅名の由来になったのであろう、そうでなかったら皆驚くであろう鷺宮八幡神社に立ち寄る。

オリーブが植えられている、そうでなかったら物議を醸したであろう若宮オリーブ公園。そして、そもそもなぜここにオリーブ公園があるのかという根本的な疑問だけ残った。

なんか調節池っぽいなぁと思ったら、そう書いてあった。中野区立白鷺せせらぎ公園。
“せせらぎ”にも調整池を設けなければ生活が成り立たないのが東京23区だ。
親水公園っぽく一段近い場所を設けてあっても、水面からはほど遠く、その距離感は大型ネコ科動物との間のごとし。

せっかく、川沿いの遊歩道なのに、生け垣で水面が見えない。中野区では生け垣の助成を行っていて、その広報の一環っぽかったが。

上はブンブン 下はジャブジャブなーんだ?
答えは環状7号線および地下調節池。2枚目の写真の正面に移る窓だらけの仮設の建物の中で、立坑が掘られて(?)いるようだ。

中野区立平和の森公園。大田区にも同名の公園がある。過去に流行があったのだろうか。

平和の森公園の南には、旧中野刑務所の正門が保存されている。世が世なら私もお世話になっていたかもしれない……と思ったが、ちゃんとした(?)政治犯が入る場所だったらしい。私ではまだ無理だった。
そして振り向けば、我々都民の守り手、東京都下水道局の中野水再生センター。平和の森公園は水再生センターの屋上であった。
公園の下が巨大な秘密基地というのはトライダーG7時代からの我が国の伝統。

公園の一角には、生け垣のサンプル展示が。先ほど川を見るのを邪魔されたばかりではあるが、植物の名前が分かるのはありがたい。こうしてみると結構いろいろな種類があるもんだ。

中野水再生センターの処理水が妙正寺川に流れ込むところ。ここから、かなり水流が速くなる。

平和の森公園を抜けたら、もう西武新宿線 沼袋駅が近い。さらに北上して、山﨑記念中野区立歴史民俗資料館。“山﨑記念”というのは土地の寄贈者に由来するらしい。

蕎麦を挽く石臼。蕎麦を打つならこのくらいの設備が必要だ。定年退職したサラリーマンがおいそれと手を出してよいものではない。

展示はリニューアルされたばかりだという。その冒頭に衝撃的なメッセージが。東京都のド真ん中に海が……。

江戸時代に利用されていた、ワンちゃん用のケージ。現代のものよりかなり大きい。しかも二人がかりで担ぐ必要がある。

もっとも最近の「歴史」。中野サンプラザ。再開発が止まってしまい、なかなか「さようなら」と言いづらい状況になってしまっているようだ。

郷土博物館、どこに行っても同じような展示……という第一印象だが、実際に横並びで見ると地域性があり、展示方針の差があり、財政(あるいは各自治体の力の入れ方)の差があり、もう少し、あちこち、丹念に回ってみたい気もする。
もう夕方だから、後回しにするけど。そのうち、何ヶ月後か、何年後かに。まぁ、気が向いたら。

2025年3月30日日曜日

企画展「すな」 and ...

散歩代わり、あるいは買い物帰りに立ち寄れるような場所にあるのならともかく、郊外にある博物館に足を向けるにはそれなりのエネルギーがいる。私の場合、そのエネルギーのきっかけは魅力的な特別展、企画展だ。しかも、中身ではなく、ポスターやニュースに載るような情報で心をつかまなければならない。

神奈川県立 生命の星・地球博物館の企画展「すな」だ。「ふしぎをみつけよう」とある。不思議があるのだ。ありふれたものでありつつ、なんとなく捉えどころのない砂に、どのように斬り込むのだろうか。


「すな」である。一口に砂といっても、そのありようは様々。この館のコレクションは3,800点に及ぶらしい。

企画展の場内は、ほぼ子供たちが砂で遊ぶスペースである。といっても、砂場作って終わりなんてものであるはずもなく。砂の一生をシミュレーションするマルチエンディングなすごろくを中心に、砂にまつわる様々な物理現象を手軽に実験できる装置が並べられている。


その中の1つ、液状化現象発生装置。ペットボトルを指で軽く叩いていくうちに“地中”に埋めていたものが浮かび上がってくるものだ。この装置があれば湾岸地域のタワマンもイチコロだ。とても面白危険すぎる装置なので博物館は厳重に管理してほしい。

子供たちが遊んでいるのを大人たちは見守り続ける……だけではなくて、漢字が読める人用の展示もある。
砂の材料いろいろ。岩石だけでなく、貝殻や、ガラスのような人工物でも大きさが当てはまれば全部砂。これはちょっと意外だった。

砂で山を作った時の角度が一定になる現象の実験装置。「安息角」というのだそうだ。特撮ヒーローが戦っていた採石場にあった石の山、番組スタッフが均していたんじゃなかったんだね。

神奈川県の砂マップ。東京都町田市は神奈川県に含まれない。

なにより子供が楽しめそうなのが得点高め。ただ、もっと情報欲しかった自分の好みからはちょっと外れ。それと、企画展と連動した商品がミュージアムショップにも欲しかった。


常設展も見るよ。


ストロマトライト石灰岩で作られた巨大なモニュメント。かつてシアノバクテリアが行った、地球史上最大の民族浄化政策を記念した負の文化遺産である。その毒ガス作戦により、当時の地球生命の9割が死に追いやられたと言われている。

オオカミウオのはく製。顔と胴体を後で繋げたかのような違和感。こんな姿をしているとは思わなかった。水族館では岩の隙間から顔だけ出している事が多いから……。

最近の動物園は、動物の体調管理が厳重で、3頭いる動物のうち、表に出すのは1頭だけ……みたいな感じだが、博物館の動物もたまにバックヤードでの休養日があるようだ。

ズーラシア、次はドールやリカオン中心に見に行こうと思った1枚。

見たことあるカモ、見たことないカモ。

最近、気になっているコケと地衣類。ウメノキゴケは空気の汚れた都市部では見られないみたいな話も聞くが、最近注目し始めた私にとっては近所で目に入りやすいものの1つだ。
コケは販売されている育てやすいはずの種と、雑草としてよく見かける種が違うのが面白い。

サツキ。ツツジの仲間はバリエーションが多くて、その辺で見つけても未だに「ツツジの仲間」。

博物館を抜け、入生田駅の向こう側も散策してみる。


入生田駅のすぐ西側は旧東海道。

オオヤマツミを祭る山神神社。地衣類がすごい。

紹太寺。小田原藩主だった稲葉一族の菩提寺という由緒ある寺だが、稲葉一族のイメージが頭にないので。

紹太寺の傍らを流れる宮沢川。小さい川だが、水量多くて迫力ある。

来た者の心を折る石段。

伐採された大木の幹。見事な緑だ。このままここで朽ちるか、それともいずれ運ばれていってしまうのだろうか。

稲葉一族のお墓。春日局の墓もこの中に。(春日局って何した人だっけ?)

色とりどりの地衣類に覆われた石。

長興山のシダレザクラ。でかい。まだ咲いてない。シーズン中は人集まりそうなので、私は避けてたろうが。

巡ってから見つけたハイキングコース。歩くのに集中して2時間か……。
朝8時台に家出れば日中に収るかな。どうせ博物館で昼食と観覧時間取るだろうし。

荻窪用水という文言に釣られて見に行ってみたが、ほとんどトンネルの中で、水が流れるところを見れたのはこのくらい。ちょっとがっかりしたポイントだけど、他の場所含めた散策コースが用意されているほどの規模あったみたい。再挑戦したい。