アジャイル開発のメリットを活かし、難しいところをどうカバーするか。そんな観点で書かれたRedmine本。
Redmineそのものの説明もさることながら、現場の悩みをどう解決するかというところに深く切り込んでいて、ソフトのスクリーンショットより、チーム内で発生する仕事(チケット発行やら障害対応やら)のワークフロー図の方がむしろ多いくらい。
ツールの解説書によくあるような、「便利だから皆使おうぜ!」的バラ色話のノリは無い。クリーンな実験室のような、それ自体ありえないような環境でなく、現場の中でどう使ってきたという話が中心になっている。ホワイトボードと付箋の組み合わせから、Excelのガントチャート、Tracのような障害管理ツールなど、他のツールを経てRedmineにたどり着くまでの試行錯誤。既に他のツールでの管理が行われている中での部分的な利用など。実体験に即した話には「お前のところではそうだったんだろうけどよ~」的な感想を抱きがちな私だが、取り上げられている事例の豊富さと、適用の柔軟さには素直に感心した。
Redmine自体については、基本的な操作方法とか、見れば分る的なところはそこそこに、おすすめのプラグインの紹介があったり、あるいは個々の事例で、Redmineからどのような情報を引き出して報告書を作ったかといったプロジェクト管理をやった事がある人なら当然知りたいことに多くの紙面が割かれている。
自分が一番うれしかったのはTestLinkとの連携について書かれていた第3部。「アジャイルやテスト駆動開発のテスト自動化って、単体テストだけなの?」という長年の疑問に対する答え(の一部)がここにあった。情報が溢れて泣きそうになるのは、むしろ結合テスト以降なんだよなぁ。(私だけかもしれんけど)
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