twitterで評判良かったので無視できなくなった。
私としては珍しいチョイスのしかただ。ガルパン劇場版ですらスルーしてたというのに。(後にセル配信でハマる)
でも庵野作品だしなぁ的な色眼鏡をあらかじめ掛けつつ鑑賞。
不正確なあらすじ
東京湾の海底で異変が起こってるような気がするらしいっていう、極めてうさんくさい情報から始まる。
主人公は、異変の原因をいちはやく「巨大生物のしわざ」と気づくが、何ら根拠を示すことができないので邪魔者扱いされる。当たり前だ。
政府の面々があーだこーだしているうちに起こる津波。津波が起こるまであーだこーだしている政府の面々。
「実際に起こっているのは何事なの」という問題と「現状をどのように説明すべきか」という2つの問題の間を転がっていく。この2つの問題は、向いている方向は全く別であるにもかかわらず、一緒に語られがちである。会議あるある。
新しい情報が入る度に会議体が変わり、政府要人達が場所を移動していく。対策本部の什器も並べられては片付けられを繰り返す。民主党の事業仕分けで机と椅子に1,300万円、の記憶がよぎる。リアルな描写だ。
かくして謎の巨大不明生物・ゴジラが上陸してくる。津波の難から逃れてきたかのようだ。
そのゴジラに、無情にも日本の夏が襲いかかる。夏将軍だ。
あまりの酷暑に熱中症で倒れてしまうゴジラ。慈悲はない。
やっぱり海中のほうが過ごしやすいよね。海に戻るゴジラ。
何度めかのIT革命の末、ついにろくろを回す技術を身に付けるゴジラ。これは世界を変えるかもしれない!
しかし、時既に遅し!いつしか政府関係者の関心事はゴジラ自身から離れてしまっていた。
(具体的な言及は避けますが、人間の最悪の敵はやっぱり人間自身ですよねーという展開)
感想めいたこと
他の観客の反応がイマイチだったのが気になった。私が見ていた回だけかもしれない。
今さらゴジラが怖いと泣きだす子供はいなかった。
隣のファミリー客は、人間しか出てないシーン(つまり大半)ではひそひそ話してて、劇中の会話が聞き取れない。つらい。
やはり、リアル被災地で見たのがいけなかったか。私の心の中にしか存在しない、被災の達人たち。プロ被災者のココロの声が聞こえてくる。(個人の幻聴です)
- なぎ倒される市街「なぎ倒された跡はこんな風にきれいにはならないよ」(幻聴)
- 避難所の市民達「本当に苦しいのはこの後さ」(幻聴)
ともかくこれらの幻聴のせいで、ラストの希望をほのめかすシーンがひどく脳天気なものに感じられた。
「あ、そう。良かったね」以上の言葉が出てこない。
「この国は何度でも立ち上がる」の「何度」って、何と何が勘定に入っているんだろう。
前評判からの想像に反して、ゴジラ自身の存在感の薄さが印象に残った。今思い返すとそれがとても残念だ。そう言えば、ゴジラが何を求めてさまよってたのか、私はわからずじまいだった。
徹頭徹尾、人間側の都合だけ描かれている映画だったので、観ている私自身の中でも、ゴジラごとき、どうでもいい些末事になってしまっていたのかもしれない。
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