2016年8月2日火曜日

キャッスルクラッシュ

木製の積み木で建てた城を、互いに壊し合うゲーム。

https://tbdgames.wordpress.com/game-market-14/soso-studio/

さて、ここに多大な国費を費やして、建てたばかりの頑丈な城を自慢したくてたまらない王様が4人。互いの見栄と勢いから「破城鎚を喰らわせあって、どの城が一番堅いか決めよう」などという、誰の得にもならない約束を交わす。

待ちに待った勝負の当日。最初の一撃を食らうことになった緑の国の城。ほら見ろ、ビクともせずに重い一撃を耐えきったぞ。傍らの大臣に得意満面の笑みを向ける王様。さあ、他の王様のお手並み拝見。
あれ、次の王様も我が国の城を狙ってきたぞ? ルール違反じゃないの? あぁ? 順番に攻撃するとは書いてあるが、どの城を攻撃するかに関する決まりを書き忘れているではないかっ……。
ちょっと待て、待ってくれ! もう一度話し合おう!
王様の叫びをかき消して響く崩壊の音は、城が発したものか、それとも王様の心が発したものか……。

  1. 各プレイヤーは、中央に置かれた破城鎚から一定の距離に、定められた資材(積み木)を使って城を建てる。加えて、王様コマと大臣コマも配置する。
  2. プレイヤーは順番に、しかし任意の城に対して攻撃する。具体的には、そもそもが自立しない棒状の破城鎚を、方向と距離を見定めて‘倒す’。破城鎚の重量がそのまま城を破壊するエネルギーの源となる。
  3. 飛び散った瓦礫や放り出された城の住人(王様と大臣)が攻撃したプレイヤーの得点となる。
  4. 攻撃が2巡して、まだ建築物や住人が残っていれば、それは城を建てたプレイヤーの得点になる。

攻撃する城はその場その場で選べる。トップにいるプレイヤーの城を狙って差を縮めにいくか。それとも明らかに弱点が多い城を狙って高得点を狙うか。
もちろん、攻撃一辺倒ではない。他のプレイヤーから狙われにくい、あるいは攻撃をしのぎやすい築城法はないか。
さらに言えば破城鎚の使い方。プレイヤーが力を込めて……ということはできないので、技を磨く必要がある。

単に城を固めるだけなら、積み木を横に並べるのが手っ取り早い。しかし、積み木の並べ方も得点に影響し、重ねて積むことで高得点が狙えるので、土台に直置きするだけでは勝利は望むべくもない。何らかの工夫が必要だ。
築城法としては、大臣コマを敢えて前面に立てる「人間の盾」作戦が、一部のプレイヤー……というか約2名……の間で、なぜか定石の如く使われた。破城鎚の空振りを誘う効果があると信じられたためだ(が、その具体的な機序は不明のままである)。加えて対戦終盤では、切妻状の屋根パーツを前面装甲とし、その斜めの角度に被弾傾始の効果を期待する「T-34ショック、あるいは通称すみぺ作戦」が編み出された。
破城鎚も、棒の両端の大きな塊が付いている方が‘ハンマー’であると単純に思われていた。が、もう片方の塊の小さな方で弱点をピンポイントで狙ったり、パーツに鎚をかすめさせて隣接する別パーツをはじき飛ばすといった、器用な使い方もできることが分かった。(その一方、単なる空振りで攻撃機会をふいにするプレイヤーも散見された)

ボードゲームと分類されはするものの、頭だけでなく、手先の器用さ、指先の感覚、そしてバランスの見極めなど、いろいろな力を動員することで攻防の幅が広がるゲーム。
普通の積み木では飽き足らなくなってしまった子供たちに。そしてその遊び相手の大人達に。

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