2016年8月16日火曜日

ダーク帰省

前日以前

例年は秋にスケジュールしていた実家への帰省。
出身大学の学祭を見て回ることを念頭に置いてのことだったが、反面他の兄弟……というか妹と姪……と顔を合わせる機会を作ることができていなかった。
学祭の開催日が、ちょうど休みを取りにくい時期に重なることもあり、このスケジュールを見直そうという気持ちもあったので、一般的な帰省シーズンであるお盆に変更することにした。
しかし、肝心の妹のほうが今年の帰省予定を変更してしまい、出発時点で当初目的の達成が不可能になってしまっていた。ダーク帰省である。

往路

旅の予定を確定するのが遅すぎ、高速バスの予約はかなわず。新幹線自由席の阿鼻叫喚に参加する元気もなく、何年かぶりに普通列車途中下車の旅をすることにした。
宮城県までの切符を購入しようとしたが、自販機では近距離切符しか買えない(前からだっけ?)。窓口で買おうかとも思ったが、品川駅は東西南北に向かう人々で大混雑している。とりあえず大宮駅まで行って、そこで切符を買い直すことに。
以前はよく立ち寄って昼食をとっていた宇都宮。今回は到着が早かったので素通りした。
終点の黒磯で降りて昼食。電車一本分……一時間ほど時間がある。

  • 駅前の喫茶店でドライカレー。Swormのデータを見たら、前回のチェックインは7年前だった。そんなに間が開いてたかなぁ。
  • 駅前の商店街で、書籍を売る店を探すも見つからず。まぁ昔からなかったけど。

黒磯発の次の列車が福島行きだったのでそれに乗り、郡山には降りずに福島駅へ。夕飯には早かったので、街を散策。県庁通りまでグルッと。

  • 文具専門店らしき店や、アメリカ雑貨の店を新たに見つけた。昔からあったのかもしれないが。
  • 来る度に新しい店を見つけることができるのは、街に活気がある証左だが、反面長く商売を続けることの難しさも感じる。

夕食にと思っていた天丼の店は休業。ラーメン店に切り替え。頼んだつけ麺はちょっと辛めのスープで、ガッツリ食いたい若者向けの味だった。
結局、福島市街で2時間半も過ごしてしまった。宮城県の実家に到着する頃には20時を過ぎていた。

2日め

朝起きてtwitterを見たら、私の帰省を知ったらしい友人が昨晩飲みの算段をしていたようだ。すまん寝てた。
その後、両親とどこか遊びに……という気にもならず1日中ゴロゴロして過ごした。

3日め

福島に移動。 駅前に、除染情報プラザなる施設(環境省+福島県)を見かけたので入ってみる。ダークツーリズムというやつだ。

  • その名の通り、除染活動に関するいろいろな、かつほぼリアルタイムの情報が集まっていた。
  • 県内の人にとっては今更感漂う情報だろうし、県外の人(よほどの物好き以外)にとってはピンと来ない情報だろうし、わざわざ探して来ようってほどの訴求力もなさそうなのが残念。
  • 情報開示用に施設作るのじゃなくて、実務を一カ所に集めてそのまま展示してしまえば良いのに、と思わないでもない。

在学中は存在しなかったシネコンで『シン・ゴジラ』観る。

  • 先の施設の後だったので、実際以上に(以上だろう、と信じる)他の観客……現在進行形で被災し続けている福島県民……の視線は冷ややかに、映画それ自体は軽薄に感じられる。
  • 東京の、ゴジラ由来の放射性廃棄物はどこに行くのだろう。東京でも神奈川でもないあの街を思い浮かべる。

ついでに劇場と同じフロアにある猫カフェへ。

  • 猫好きだが猫アレルギーあるので、積極的な接触はせず他の客に遊んでもらっている猫共の様子をぼんやり眺める。それでも鼻がムズムズし、肌が粟立つのを感じる。
  • 遊び疲れた猫のうち、何匹かが私に尻向けてボーッとしてたり、そのまま寝たり。

学生時代にお世話になった先生と飲み。

  • 数学の話。文系の私にはちんぷんかんぷんだが、巡回セールスマン問題やAIなどの話を聞くのは好きだ。
  • 投資の話。デイトレで一攫千金のイメージが先行していて、なかなか「投資」が根付かないよねという話。
  • 学生がプログラミングを覚えたがらないという話。イマドキの研究者には(文系も含めて)ほぼ必須になりつつあるインフラだと思うのにネ~という話。
  • 雑用と管理が大変だという話。大学職員削減の論理的帰結。

その日は市内のホテルで一泊。

4日め

ホテルを出て、市内を巡回する。

せきや模型
老舗中の老舗。
帆船模型、鉄道模型からガンプラ、ボードゲームやカードゲームに至るまで。
福島に立ち寄る度に覗いていく店の1つである。
けど、旅行者がふらり立ち寄って購入していくような品はなく、日々通い詰める常連向けの品揃え。
この手の趣味も、商品構成が細分化していく一方でやりづらいだろうな……。
岩瀬書店
老舗中の老舗。
この店の専門書の品揃えには、その折々の福島市民の意地と購買力が反映される。
同じフロアにある、天然石の売り場が前に来たときよりも拡大しているような気がする。
りらい
twtterで教えてもらった店。
前述のせきや模型が、ほぼ大人向けの商品ばかりなので、
「バトスピとか、ヴァンガードとか、低年齢向けの商品を扱っている店はないのか」と疑問に思った。
カード売り場だけでなく、大会用とおぼしきゲーム場もあった。
年配の店主が中高生の客と談笑していた。そうだ。この光景が見たかったのだ。
極楽湯
駅に併設されているスーパー銭湯。昔から気になっていた施設だが、機を逃して幾星霜。
もっと早く来ていてしかるべきだったなぁ。
あ、チェーン店なのね。多摩センターにもある……この建物見た事あったわ~。日本狭い。

極楽湯の熱が身体の中から抜けないまま、新幹線で帰路に。
思いの外、盛りだくさんの帰省になった。

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