2016年8月1日月曜日

スモールワールド

誘われるまま、予備知識もなくボードゲームの面子に入れてもらっては、初心者丸出しのプレイをする日曜日。

この手のボードゲームは、プレイヤー同士を競争させる必要からか、割とみもふたもなく利己的な目的を設定して「悪党同士、遠慮なく殴り合ってくれ」とやるものが多いようだ。

今回やったのは、ファンタジー世界を舞台にしたボードゲーム。

狭すぎる世界の中で、安寧と住処を求めるファンタジー世界の住人達……エルフ、ドワーフから巨人にいたるまで……を相争わせつつ、彼らが得た富を巻き上げていく。そんなお茶目な神様達の勢力争いのゲームである。
神様達は複数の種族の中から、自分のごひいきを選んで、彼らに新しい土地を開拓させたり、他の種族から土地を奪わせたりしていく。
そう、彼ら全員が等しく住うことができるほど、この世界は広くないのである。狭い土地とそこから得られる富を狙って、新興種族は先住種族を土地から追い出していく。

そしてこのゲームでもっとも悪虐なのは、神様であるプレイヤー達がそのごひいきの種族を乗り換えることができる、その名も「衰退」システムにある。成長の限界を迎えたり、あるいは戦争で生産人口を大きく失ったりした種族を見捨てて、より若く可能性を秘めた種族に力を貸すのである。( ;∀;)イイハナシダナー

衰退させることを選ばれた種族も、まさか自分たちが神様に見捨てられたとはつゆ知らず、けなげにお賽銭を捧げ続けてくれる。彼らから言わば不労所得を得つつ、新しい種族には他のプレイヤーのごひいき、あるいは元ごひいきの種族の土地を襲わせてその資金源を奪って、神様のコミュニティの中での相対的な優越を図っていくのである。

ファンタジー世界の種族達は割とお馴染みの面子である。その長所も短所もお察しの通りのものなのだが、登場順や特殊能力の付加というランダム要素もあって、雑魚扱いの種族が思いもかけず重要な働きをしたり、強力なはずの種族が周りとの相性の悪さから大して活躍もできないまま衰退に追い込まれたりする。
今回のプレイでは、早々と衰退させられた種族やゲーム開始時点で既に衰退状態にあった本来の先住種族が、「攻撃しても旨味がない」というヒドく消極的な理由で他のプレイヤーの侵攻を阻む「優先度の壁」となり、かつゲーム終了時点まで生き残るという意外な結果にもなった。字義通り、ゲームのコマでしかない彼らにも愛着めいたものが感じられてくる。

想像しやすい世界設定とバラエティに富んだ各種族。理解しやすくまとまったルール。
何度もプレイして、その奥深さをかみしめたくなる、そんなゲームだった。

https://hobbyjapan.co.jp/smallworld/

2 件のコメント: