春のうららの隅田川。もう5日め。
両国橋のやや下流から再開。結局、浅草はスルーしてしまった。
長大な隅田川テラスも、周辺自治体の色が出るのか、いろいろなバリエーションみたいのが出てくる。この辺りの装飾がこれまで見たものの中で一番よく分からなかった。ダンジョンの入口風?
両国大橋(桁橋)。首都高なので、徒歩で立ち入れないのが残念。土木学会を受賞した橋梁らしい。下にある堅川水門を遮る場所に橋桁を立てることができないので、上の橋から下の橋を吊り下げるというアイデアが評価されたらしい。写真を拡大すると、それらしいワイヤーが見える。
新大橋(斜張橋)。また橋のバリエーションが広がった。
小名木川との合流点にかかる萬年橋。そのうちそっちにも行ってみたい。
清洲橋(吊り橋)。
橋の形に目が行くようになって間もないが、吊り橋は、山あいの歩行者用の橋以外では初めて見たかもしれない。野毛山動物園近くの「野毛のつり橋」も実際には斜張橋だし。
清洲橋から、その道路を東に進むと清澄庭園があるらしい。
実際に行ってみたら、庭園というより公園みたいな感じだ。
その公園みたいなところは「清澄公園」で、清澄庭園はその先にあった。
都内の庭園は、風景の中に高層ビルが入り込むことを避けられないし、場所によっては自動車の走行音すら耳に入ってくるが、それでも緑に囲まれた大きな水面という空間設計に開放感を得る。
池の中をカメが泳いでいた。都内の庭園を幾つか見ているが、カメを飼っているところは初めて見た。他に日光浴をしているものもいて、やはり珍しいのか、特にカメ好きとも思われない客たちも皆、そののんびりした様子をカメラに収めていた。
水鳥は多かった。カモ(カルガモ、ホシハジロが多かった)、サギ、カワウなどが集まるらしい。
水面だけではなく、園路も彼らの領域の一部。
コサギとチュウサギの違いは、今でもイマイチよくわかっていない。
ちょっと1周、寄り道と思って、その通りに1周しただけだが、それでも満足感高かった。鳥が多かったからだろう。ここはまた来たい。
清澄公園の南側から隅田川に戻る経路には仙台堀川が流れている。その名前はここに仙台藩の深川蔵屋敷があったことに由来するとのこと(
仙台市による)。
で、その蔵屋敷の跡地にあるアサノコンクリート深川工場は、日本で初めてセメント製造を始めた場所らしい。
仙台堀川を隅田川方向に向かって進むと、清澄排水機場の水門らしきものが。なんかゲートみたいなものがあるとわかりやすいのだけど。…と思って、隅田川テラスに降りてみたら。裏にはバッチリ、ローラーゲートっぽいのが。
永代橋(下路アーチ橋)。橋の上から下流を望む。
晴海運河 ← 佃・月島 → 隅田川。
中央大橋(斜張橋)を通って、佃方面へ。
放射状に伸びるワイヤーが折り重なって見える様子には見応えがある。
橋の上流側に飾られている、メッセンジャー像はフランスからの贈り物。
佃のある、この島、石川島と言うらしい。石川島資料館という郷土博物館っぽい場所があったので入ってみることにした。石川島播磨重工業(IHI)の資料館だった。え……。
資料館の中は撮影禁止(禁止でないものもあるが、ネット等での公開不可)とのこと。
資料館は、会社の設立前から今に至るまでの、会社とこの地域の歴史資料を集め、展示しているもの。やはりこの島(というか、埋立地なので「この周辺」)、石川島というところまでは外れていなかったよう。
無人島だったところが石川氏の屋敷になり、石川島と呼ばれるようになり、埋め立てが進むに従って、佃島と陸続きに…といった経緯は、資料館配布のパンフに詳しい。郷土博物館を求めていた私の希望はほぼ叶えられた。
高度成長期当時の工場労働者の生活を伝える展示も良い。
あと、関宿城博物館で見た「通運丸」。石川島平野造船所によって作られたもので、こちらには造船のようすの模型が展示されていた。
この「何かつながった感」、フィクションの伏線回収っぽい高揚がある。
その石川島資料館で、地元の祭(佃祭り)のメイン会場として触れられていた住吉神社。
『江戸前エルフ』はこの周辺の話なんだよなぁ、とか思い出しながら参拝。
(浅草同様、月島もんじゃストリートもスルーしたけど)
勝鬨橋(下路アーチ橋+可動橋)。
……可動橋!もう稼動しないけど。
中央が跳ね橋になっていて、橋の中央部を跳ね上げる前に歩行者を止めるための信号機が残っている。
橋の電力供給のための変電所跡が「かちどき橋の資料館」になっている。
清洲橋、永代橋、勝鬨橋は国の重要文化財。土足で上がるどころか、車で乗り付けられる重文。
隅田川の橋の一覧。だいたい見て回ったはず。(例外はメインの流路にない橋)
橋の模型がある。船、車、路面電車……
えっ、この可動橋の上に路面電車の線路があったんですか。電力供給どうすんだろ。無茶するなぁ。
築地市場。市場の競りが終わった後は、こんなにも静か。
築地大橋(中路アーチ橋)。傍らに浮かぶのは浚渫船だろうか。
隅田川河口から池の水を得ている潮入の池は、隅田川の水の終着点の1つだ。
池の上にある中島の御茶屋は前回訪れた時は休業中だった。ここで伏線回収。